障害者計画策定自治体への働きかけ

本日、埼玉県内の5市2町、群馬県南部の4市の障害福祉担当課に以下のような内容の文書をファックスしました。

 

 平成28年5月31日

○○役所◇◇課 御中

埼玉県三郷市戸ヶ崎2193-1

地域で共に生きるナノ

 

次期障害者計画における高次脳機能障害の取扱いについて(お願い)

 

 日頃より、高次脳機能障害支援にご尽力を賜り厚くお礼申し上げます。

 さて、私たち人間が日々の生活を送っていくためには、記憶、見当識、注意、言語、思考、判断などの認知機能は必要不可欠の能力です。

 この認知機能が障害され社会生活を一人で送るのが困難になる認知障害(認知症に代表される(医学的・学術的定義での)高次脳機能障害)。

 平成15年度末に策定された高次脳機能障害診断基準の除外項目に「進行性疾患を原因とする者」が記されたため、平成16年度より、認知障害が進行する場合には認知症として主に介護保険制度(社会保険制度の給付)において支援策を講じ、認知障害が進行しない、治る認知症の場合で、この高次脳機能障害診断基準に合致する場合には、(行政的定義での)高次脳機能障害として主に障害福祉制度(公費負担)において支援策を講じることになっております。

 (行政的定義での)高次脳機能障害については、平成18年度より、障害者自立支援法、障害者総合支援法の地域生活支援事業のなかで、支援の実施主体である市町村が都道府県の支援拠点機関の支援を受けながら、高次脳機能障害支援モデル事業や高次脳機能障害(及びその関連障害に対する)支援普及事業などで得られた知見やノウハウを活用し、支援体制を整備していくという制度的な枠組みが用意されています。

 認知症も高次脳機能障害も、どちらも国際疾病分類第10版(ICD-10)では同じカテゴリ(F0:症状性を含む器質性精神障害)に分類される器質性精神障害。

 認知症と高次脳機能障害の違いは、症状が進行するか、症状が進行しないか、それだけの違いです。

 また、脳卒中の後遺症で高次脳機能障害となった方については、お医者様に認知症の方と区別して診断をしていただけるとは限らない状況もございます。

 ご本人や家族の意向とは関係なく、国際疾病分類第10版(ICD-10)のF0(症状性を含む器質性精神障害)に分類される器質性精神障害の方は、65歳以上か未満か、症状が進行するかしないか、原因疾患が脳卒中かそれ以外かで、介護保険制度、障害福祉制度のどちらを優先して使えるかが決まってしまいます。

 お困りごとは同じです。

 年齢や、症状が進行するかしないか、どのような原因疾患か関係なく、認知障害でお困りの方に対して支援ができるよう、今年度、東松山市で策定される障害者計画で、高次脳機能障害の方への支援について、介護保険制度における認知症施策と同等の支援策を盛り込んでいくことを、ご検討していっていただければ嬉しく存じます。

 よろしくお願い致します。

 

【一例】

 

寄居町障害者計画(平成27年度~平成29年度)

  • ストレス社会の中で増加する精神障害(発達障害、高次脳機能障害を含む)の発生に対しては、早期の発見・診断・治療と社会復帰などを促進するための相談事業等を展開し、精神保健に関する情報の提供に努めます。
  • 若年性認知症や脳血管疾患が原因で高次脳機能障害となった第2号被保険者への切れ目のない支援のため、介護保険担当、障害福祉担当との連携を強化。
  • 身体、知的、精神(発達障害、高次脳機能障害を含む)障害者に対する相談、助言、情報提供などの相談体制の充実に努め、県や医療機関などの関係機関と連携を図る。

 

【ご参考】

 

※秋田県高次脳機能障害相談・支援センターのパンフレット

http://hbd.akita-rehacen.jp/pc/hbd-pamph.pdf

○福祉制度の利用について

 高次脳機能障害は「その他の精神疾患」として精神障害者保健福祉手帳の申請が可能です。また、平成18年4月1日より、器質性精神障害として障害者総合支援法による福祉サービス(介護給付・訓練等給付・自立支援医療など)の対象となりました。精神障害者保健福祉手帳を取得しなくても、高次脳機能障害については診断基準に基づいた高次脳機能障害診断書(精神科医以外の主治医も作成可能)により、福祉サービスの申請が可能となります。

 

 

※宮城県リハビリテーションセンターのパンフレット

http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/304606.pdf

○福祉制度の利用について

 高次脳機能障害は「その他の精神疾患」として精神障害者保健福祉手帳の申請が可能です。

 また、平成18年4月1日より、器質性精神障害として障害者自立支援法による福祉サービスの対象となっており、精神障害者保健福祉手帳を取得しなくても、高次脳機能障害については診断基準に基づいた高次脳機能障害診断書(精神科医に限らず主治医で可)により、福祉サービスの申請が可能となりました。

 

 

※第3次犯罪被害者等基本計画 (平成28年4月1日 閣議決定)

https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/info280401.html

 (10) 高次脳機能障害者への支援の充実

 厚生労働省において、高次脳機能障害が障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づいて市町村が実施主体となっているサービスの対象であるという更なる周知を行う。また、都道府県において、患者・家族からの相談への対応や普及啓発等を行う「高次脳機能障害及びその関連障害に対する支援普及事業」を実施する。【厚生労働省】

 

 

第145回国会 - 参議院 - 国民福祉委員会 - 平成11年3月15日

 

○西川きよし君

 この高次脳機能障害については、精神障害者保健福祉手帳の中の器質精神病に該当するとされております。いろいろ難しい名前がいっぱい出てくるわけですけれども、しかし仮にこの手帳を取得したとしても、現状では日常生活面での援助につながる具体的なサービスをなかなか受けることができないのが実情でございます。

 この点について、平成九年十二月に身体障害者福祉審議会などの合同企画分科会において取りまとめられた中間報告の中で「身体障害を伴わない高次脳機能障害については、精神保健福祉法において必要な福祉サービスを充実すべきである。ただし、当面、精神薄弱者に類似した障害の状態にある者については、精神薄弱者施設等の利用を行えるようにする」、こういうことも検討すべきであるという指摘が行われております。

 この前段の「精神保健福祉法において必要な福祉サービスを充実すべきである。」というこの指摘に対して、今国会に提出されている精神保健福祉法の改正ではどのように対応されていかれるのか、もう一度厚生省の方からお伺いしたいと思います。

 

○説明員(今田寛睦君)

 身体障害を伴わない高次脳機能障害者に対します福祉サービスは、御指摘のように基本的には精神保健福祉対策の中で対応することといたしております。

 精神障害者の福祉施策につきましては、他の知的障害あるいは身体障害に係ります福祉施策に比べてその取り組みが非常に浅いということ、あるいは老人や他の障害者のための福祉施策と比較して、特に在宅の精神障害者に対する福祉施策が不十分である、このような指摘をいただいております。

 このため、今国会に提出をさせていただいております精神保健福祉法の改正案におきましては、まず在宅の精神障害者の相談などを行います精神障害者地域生活支援センター、これを設置すること、それから在宅の精神障害者の食事等の介助を行うためのホームヘルプ事業を行う。これもこれまで精神障害者にはなかった事業であります。さらに、精神障害者の介護を行っている家族が病気などになったときに、短期間その方を精神障害者社会福祉施設などに入所させるいわゆるショートステイ事業、これらを法定化することといたしております。

 身体障害を伴わない高次脳機能障害者を含めて、地域で生活する精神障害者及びその家族を支援する方策を講ずるという観点から法案を提出させていただいている次第でございます。