埼玉県内の市町村、障害福祉担当課にファックス

本日、以下のような内容の文書を、埼玉県内63市町村の障害福祉担当課宛にファックスしました。

 

 平成28年8月9日

埼玉県内市町村の障害福祉担当課 御中

埼玉県三郷市戸ヶ崎2193-1

地域で共に生きるナノ

 

高次脳機能障害の早期発見・早期診断について(お願い)

 

 日頃より高次脳機能障害者支援にご尽力を賜り厚くお礼申し上げます。

 さて、埼玉県に隣接する西東京市議会において、昨年3月と今年2月に、丸山浩一市長が、高次脳機能障害について別紙1のような答弁をされております。

 別紙2の論文に触れられているように、厚生労働省は平成13年度から17年度までの5ヶ年計画で、脳血管障害や外傷性脳損傷などの原因疾患に基づく認知障害を福祉行政の観点から高次脳機能障害として整理し,これをもつ者が医療・福祉サービスを適切かつ円滑に受けられるようにするために,高次脳機能障害支援モデル事業(以下モデル事業)を実施してきました。

 このモデル事業の結果、高次脳機能障害について、診断基準、評価方法、訓練プログラム、支援プログラムならびに支援サービスの提供のあり方までを含む行政上必要とされる基準や指針が作成されています。

 ご存知のように、平成18年度からは、モデル事業の成果を活用しながら、各市町村は、市町村が実施する地域生活支援事業において、都道府県の実施する地域生活支援事業(高次脳機能障害(及びその関連障害に対する)支援普及事業)の支援を受けながら、福祉サービスのなかで高次脳機能障害の方を支援していくことになっております。

 高次脳機能障害の方の支援の第一歩となる早期発見・早期診断。

 皆様の自治体の施策に、高次脳機能障害の早期発見・早期診断を位置づけていただき、福祉サービスにつながっていない高次脳機能障害の方を、早期に見つけ出し、福祉サービスに繋げていくことをご検討いただければ嬉しく存じます。

 別紙1

 

◯市長(丸山浩一君) 平成27年第1回西東京市議会定例会(平成27年3月2日)

 次に、高次脳機能障害への対応についてお答え申し上げます。高次脳機能障害につきましては、脳出血、脳梗塞等の疾病や、交通事故等の外傷により脳が損傷し、記憶、言語、注意障害等を起こすもので、高次脳機能障害のある方は全国で50万人以上いると伺っております。本市におきましては、保谷障害者福祉センター利用者約100人のうち、高次脳機能障害の対応を必要とする方が4割を超えるという現状がございます。保谷障害者福祉センターでは、各利用者に対し週2回、理学療法、作業療法、言語療法等のリハビリテーションを行っておりますが、特に40代、50代の脳血管障害を起因とする高次脳機能障害の方が年々増加している状況でございます。このような中、本市では平成27年度より高次脳機能障害者支援促進事業を開始し、ふえ続ける高次脳機能障害者に対応する支援を強化したいと考えております。この事業は、本人及び家族等に対する相談支援を実施するとともに、医療機関、就労支援センター等の関係機関との連携を図り、また、社会資源の開拓や広報、普及啓発等、高次脳機能障害者に適切な支援を提供するもので、具体的には保谷障害者福祉センターに高次脳機能障害者支援員を配置し、実施する予定でございます。昨年6月に市内に高次脳機能障害者を対象とする就労継続支援B型作業所が開設したこともあり、今後就労支援センター等と連動した支援の充実を期待しているところでもございます。

 

◯市長(丸山浩一君) 平成28年第1回西東京市議会定例会(平成28年2月29日)

 次に、高次脳機能障害者の対応についてお答えします。保谷障害者福祉センターでは今年度より高次脳機能障害者支援員を配置し、高次脳機能障害のある方及び家族等に対する相談支援を実施するとともに、関係機関との連携等により高次脳機能障害者に対する支援の充実を図っております。一方で、医療機関からの退院後に福祉につながらずに結果として社会生活への順応がうまくいかず、困難を抱えている高次脳機能障害者の方が少なからずいらっしゃることが相談事例からわかってまいりました。こうした課題を解決するため、医療機関の相談室等との連携をさらに深め、地域に退院してくる御本人や御家族からの早期相談、自宅や職場訪問等による課題認識によって潜在的ニーズを掘り起こし、福祉の視点からの支援方法の提案や適切な支援機関等との連携・連動によって切れ目のない支援を実施してまいります。普及啓発については、北多摩北部圏域5市において医療機関、保健所、就労支援施設、家族会、行政等で構成する高次脳機能障害者支援ネットワーク協議会を立ち上げ、情報の共有、社会資源の創出を図り、困難な課題を抱えている高次脳機能障害の方とその家族を支える取り組みを実施しております。ネットワーク協議会では、協議会、幹事会での事例検討による情報共有・連携や、市民交流事業等による普及啓発を図っており、本年1月には西東京市民会館において市民交流事業を開催し、基調講演のほか企業就労を目指す当事者や御家族、支援に関係した方に登壇いただいたパネルディスカッションを実施いたしました。引き続き保谷障害者福祉センターでの取り組みや、ネットワーク協議会での連携を通じ、高次脳機能障害の方に対する支援を続けてまいります。

 別紙2

 

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2005年4月号 

高次脳機能障害支援モデル事業の解説

中島八十一

はじめに

 けがや病気により脳に損傷を受けた方では、一見平常に戻ったように見えても、退院後になって初めて家族から「単なる怠け者になってしまった」とか「人が変わってしまった」と気付かれる方がいます。そのような方では、身体の障害がないか軽いにもかかわらず、社会生活や日常生活の場に戻って初めて事態が深刻であることに気付き、きちんと診察を受けたらその原因が高次脳機能障害にあったということが常です。ここに高次脳機能障害をもつ人たちが抱える問題が凝縮されています。 つまり、これらの脳の障害に見られる症状は外見からは分かりにくく、また病院にいる間には気付かれないことから、後遺症に気付いた時にはどこで訓練や支援サービスが受けられるのかよく分からず、相談もできず、結果として医療や福祉の谷間に落ちてしまうということが起こっていました。このように障害者が本来受けることができる医療から福祉までの連続したケアが、高次脳機能障害では適切に提供されていないということで、近年わが国で、社会的な問題となったわけです。

 そこで厚生労働省の事業として、この問題に積極的に取り組む地方自治体と国立身体障害者リハビリテーションセンター(以下国リハ)が一緒になって、高次脳機能障害者への連続したケアを実現するために、高次脳機能障害支援モデル事業(以下 モデル事業)を平成13年度から5か年の予定で始めました。実施主体となる地方自治体は、北海道・札幌市、宮城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、三重県、岐阜県、大阪府、福岡県・福岡市・北九州市、名古屋市(以上平成13年度から)、広島県、岡山県(以上平成14年度から)であり、これに国リハが加わっています。