63市町村にファックス

本日、埼玉県内の63市町村の障害福祉担当課に、以下の文書をファックスしました。

 

平成28年8月16日

埼玉県内市町村の障害福祉担当課 御中

埼玉県三郷市戸ヶ崎2193-1

地域で共に生きるナノ

 

高次脳機能障害と診断された方の人数は?

 

 日頃より、高次脳機能障害者の支援にご尽力を賜り厚くお礼申しあげます。

 さて、皆様の自治体では、高次脳機能障害と診断された方が何人ぐらい暮らしておられるのか、何らかの調査結果をお持ちでしょうか。

 埼玉県内の市町村で、高次脳機能障害と診断された方の人数を調査している自治体が、いくつかございます。

 そのうち、鳩山町、寄居町、新座市の結果の概要を以下にご紹介いたします。

 

【「鳩山町障がい者福祉計画」策定のためのアンケート調査結果】

 鳩山町が平成26年5月から6月にかけて障がい者福祉計画策定のための基礎資料を得ることを目的としたアンケート調査の結果では、調査対象とした障害者手帳所持者647人のうち、420人からの回答が有効とされ、そのうち30人の方が高次脳機能障害と診断されたことがあると回答されています。

 

【寄居町「福祉に関するアンケート調査」】

 寄居町が平成26年7月に町内在住の障害者手帳所持者の約半数の方を無作為に抽出し「福祉に関するアンケート調査」を行った結果では、29人の方が高次脳機能障害と診断されたことのあると回答されています。

 

【障がいのある人もない人も共に暮らせる新座市をつくるための調査結果】

 新座市が平成26年6月~7月にかけて実施した調査では、回答者3,940人のうち、高次脳機能障がいとして診断されたことがある人が、身体障害者手帳の取得者で75人、療育手帳の取得者で6人、精神障害者保健福祉手帳取得者で15人、難病罹患者で1人、と報告されています。 

 【ご参考】

 

直江康孝(川口市立医療センター救命救急センター)他

 『頭部外傷後の高次脳機能障害における損傷部位と症状の関連』

  日本臨床救急医学会雑誌 Vol.16(2013) No.6 pp.785-789

 

【抄録】

 頭部外傷後の高次脳機能障害が社会問題になっている。高次脳機能障害の主たる原因は脳血管障害であり,頭部外傷によるものは10%にすぎないが,10〜20代では原因の上位に位置している。しかもその症状は血管障害のそれと比べ多彩である。われわれは損傷部位と症状の間の関連について自験例をもとに検討した。2008年1月1日から2009年12月31日までに搬送された頭部外傷患者203名のうち生存退院できた148名を対象とし,2年をめどに高次脳機能評価を,脳の損傷部位はMRIで前頭葉,側頭葉,頭頂葉に分け評価した。118名で評価が可能であり56名(47.5%)に高次脳機能障害がみられた。MRIで異常所見がみられる例では高次脳機能障害の発生頻度が高かったが,異常所見がない例でも高次脳機能障害がみられた。損傷部位と症状との間には関連はみられず,MRIで検出できないびまん性脳損傷が発生に関与していると考えられる。

 

【おわりに】

 予後良好とされ自宅に戻ったが,受傷前と同様の生活が送れていないにもかかわらず,高次脳機能障害と認識されていない患者はまだまだ多いと思われる。今回の研究の結果から,頭部外傷症例ではMRIでみられた器質的病変と高次脳機能障害の存在,症状とのあいだに明確な因果関係はないと考えられる。したがって通常行われるMRIでは異常所見がなくてもびまん性脳損傷による高次脳機能障害を疑い評価を行うべきである。軽症例であっても高次脳機能障害が起こりうること,受傷早期のリハビリテーションが症状改善に寄与するとの報告もあるため,早期からの評価,リハビリテーションを行うべきだと考える。