久喜市の協議会での意思疎通支援関連の議論

12月7日、久喜市のホームページで11月7日に開かれた「平成28年度第2回久喜市障がい者施策推進協議会」の議事録が公開されました。

 

久喜市手話言語条例に関する議論のなかで、国の地域活動支援事業の要綱で意思疎通支援事業の対象となる障害が拡大されたことを受けた議論がなされています。

 

以下に、この件に関係する部分を抜粋し、一部省略して転載(委員名は「〇」で置き換え)。

 

◆〇委員

 確かに、非音声言語を含めるとなるとかなり範囲が広くなるし、非常に難しい状況になることは間違いないです。ところが、例えば兵庫県の明石市とか加古川市などは、ここに書いてあるように耳に限っていないわけです。「障がい特性に応じた言語」というふうになっているのです。だから、コミュニケーションをとるのは言語だけれども、それに対するものをもうちょっと幅を広げないと、その人たちは取り残されることになりますという考えなのです。いかがでしょうか。

 

 

◆事務局

 ありがとうございます。始めに、〇委員の言われた言語が手話だけではないというお話は、確かに大変詳しいお話をいただきまして、ありがとうございます。

 実は今、全国の自治体で55の手話言語条例ができている中にはいくつか、正確に今は申し上げることはできないのですが、3つぐらいだったと思います。情報コミュニケーション条例というものができていまして、先ほどあった明石市ですとか習志野市とか、そういうところだったと思います。手話以外にも目の見えない方に対する点字ですとか、音声を取り入れるというようなことも含めて、情報をその方に合う、障がい特性に合う形できちんと届くようなことをしようというような考え方が進んできています。

 確かにそういったことがあるのですが、今回そもそも手話言語条例の取り組みを考え始めたというのが2年前の久喜市議会におきまして、平成26年6月のことでございます。久喜市議会議員の提案によりまして、手話言語法を制定すべきだというようなご意見があり、意見書を国に提出するということになったわけでございます。

 検討会の中でも他の情報をコミュニケーションとして考える必要もあるのかなというお話もあったのですが、多くの委員さんから、現時点においては、手話を中心に考えていきたいということで、手話言語条例を進めていこうというような考え方でございます。よろしくお願いいたします。

 

◆〇委員

 それでは、久喜の言語条例というのは、あくまでも手話だけに限るということですね。その他はどうなさるおつもりなのか。後で検討すると言っても、何か文言がないと、そんなの全然無視されることになるはずです。だから、そういうこともどこかの中に入れておかないと、それは全部立ちおくれになることになります。

 だから、僕はこの中に手話言語条例というのをつくるのはいいけれども、ここの耳の聞こえない人や聞こえづらい人に限るのではなくて、「障がい特性に応じたコミュニケーションを取れるような言語」というふうにしないと、それがこの条例ですよとしないと意味がなくなると思っています。

 

◆議長(会長)

 このご意見については、まだ検討会は続いていますから、継続して議論していただければいいかなと思って聞いておりましたが、いかがですか。大分絞られているようですけれども、プラスアルファで今日こういう貴重な意見が出た、と。

 

◆事務局

 〇委員さんが言われたように、例えば点字に関するものとか、音訳に関するようなものを久喜市としてやらないということは決してなくて、そちらのほうももちろん今現在も取り組んでいるところでございます。

 ただ、考え方として、手話言語条例としているのは、今参考資料3がお手元にあると思いますが、この中に第2条、基本理念というのがあります。この基本理念が、この検討会の案としてなのですけれども、「手話への理解の促進及び手話の普及は、手話が言語であるとの認識に基づき、市民が手話により意思を伝え合う権利を有し、その権利を尊重することを基本として行わなければならない」ということで、手話を使う権利を尊重しようということです。手話が音声と同じように言語として一つあるのですよというようなことをきちんと謳うという考え方です。

 そもそも虐げられてきたといいますか、手話を人前で使うことが許されなかった時代がずっと長く続いてきたと。そうではなくて、手話は当然に使えるものなのですよということをはっきりと示すということも条例として含んでいるということでございますので、その部分についてはひとつご理解いただきたいと考えております。

 また、手話以外につきましても、もちろん現在も取り組んでおりますし、改めて検討させていただきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。

 

なお、国は、6月に、以下のような通知を出しています。

 

障企発 0628 第1号

平成28年6月28日

各都道府県障害保健福祉主管部(局)長 殿

厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部企画課長

 

意思疎通を図ることに支障がある障害者等の入院中における

意思疎通支援事業(地域生活支援事業)の取扱いについて

 

 地域生活支援事業の円滑な運用にあたり、平素よりご尽力を賜り感謝申し上げます。

 意思疎通支援事業については、地域生活支援事業の都道府県及び市町村必須事業として、地域の実情や利用者のニーズに応じた事業実施ができることとなっておりますが、「地域生活支援事業実施要綱」(平成28年3月30日改正)において、事業対象者を「聴覚、言語機能、音声機能、視覚、失語、知的、発達、高次脳機能、重度の身体などの障害や難病のため、意思疎通を図ることに支障がある障害者等」と明確化したところです。

 また、利用範囲については、入院中における利用も可能となっているところですが、改めて本通知により、入院中においても、入院先医療機関と調整の上で、意思疎通支援事業の利用が可能である旨をお知らせいたしますので、各都道府県におかれては、御了知の上、管内市町村にその周知徹底を図られますよう、お願い申し上げます。

 なお、入院先医療機関との調整方法などについては、別添の「特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の入院における支援について」(平成28年6月28日保医発 0628 第2号)をご参照ください。

 

※本通知において、「意思疎通支援事業」とは、市町村必須事業の「意思疎通支援事業」及び都道府県必須事業の「専門性の高い意思疎通支援を行う者の派遣事業」の両方を指すものとする。