栃木県障害者差別対応指針(案)

1月17日(火)から2月16日(木)まで、パブリック・コメント制度に基づいて意見募集がなされている栃木県障害者差別対応指針(案)。

 

高次脳機能障害について、以下のようなことが記されていました。

 

(P19)

 

○ 音声機能や言語機能の障害

 

【ワンポイント】

 失語症は、高次脳機能障害とともに症状があらわれることがあります。

 失語症の障害のみではなく、高次脳機能障害の主な症状である集中できない、覚えられない・思い出せない、計画が立てられない、感情のコントロールができないなどの障害もあることがありますので、それらについても丁寧に対応する必要があります。

 詳細は、高次脳機能障害(P24)を参照してください。

 

(P21)

 

(3) 精神障害

 精神障害とは、次のような精神疾患により、不安や不眠、幻覚や妄想などの、様々な精神症状や身体症状があらわれている状態です。脳の機能障害であり、誰もがなりうる身近な障害です。

 なお、発達障害、高次脳機能障害も精神障害に分類されています。

 平成28年3月31日現在、栃木県において約10,700名の人が、精神障害者保健福祉手帳を所持しています。

 

(P24)

 

(5) 高次脳機能障害

 高次脳機能障害とは、事故や病気などで脳に損傷を受けたことにより、注意・思考・記憶・言語・行為や感情のコントロールなどが難しい状態です。

 複数の症状があらわれるのが一般的で、その表れ方は大きく個人差があります。

 また、外見ではわかりにくい症状もあるため、周囲の理解がないと、誤解やトラブルなどの原因になります。

 後天性の障害であることから、本人も自分の障害を十分に認識できなかったり、過度の緊張による脳の疲労から、短時間のうちに体調が大きく変化する場合もあります。

 国立障害者リハビリテーションセンターが大阪府と広島県での調査(平成13~17年度)結果を基にして算出した推定値では、全国に約27万人いるとされており、本県の人口に換算すると約4,500人の高次脳機能障害者がいると推定されます。

 なお、別の調査において、高次脳機能障害者の数はもっと多いと報告されているものもあります。

 

<接するときに>

・気が散りやすく、うっかりミスが多い場合(注意障害)

 集中しやすい環境づくりを心がけ、内容確認の声かけを行いましょう。

・覚えられない、思い出せない場合(記憶障害)

 メモやカレンダー、スケジュール表などで視覚化したり、一度に伝える情報量を少なくしたりして伝えましょう。

・計画が立てられない、要領良くできない場合(遂行機能障害)

 作業の手順を細かく分けるなど、わかりやすく、具体的に示すようにしましょう。

・ささいなことで怒り出す、我慢ができない、やる気が出ないなど感情や行動のコントロールができない場合(社会的行動障害)

 話題や場所を変える、行動のきっかけとなる原因を探し避けるようにしましょう。

・脳が疲れ易いため、集中が続かない場合(易疲労性)

 こまめに休憩をとるようにしましょう。

 

<合理的配慮の具体例>

・通常、口頭で行う案内や説明に加え、紙にメモをして渡すこと。

・仕事の手順をわかりやすく具体的に説明すること。その手順のメモやチェックリストを作成し、目につくところに貼っておくなど、いつでも確認できるようにすること。

・本人の希望や疲労等の状態に応じ、ゆっくり会話をする、落ち着いたところで休憩できるようにすること。

・学校の授業等において、線を太くして見やすくしたり、滑りにくい定規を使ったり、目盛りが見やすい道具を使ったりするなどの取り組みやすくする工夫をすること。

 

【ワンポイント】

 子どもの高次脳機能障害については、身体的回復が著しいため、高次脳障害が見落とされがちです。特に、集中できない、覚えられない、疲れやすいという特性に対し、学習環境への十分な配慮が必要です。

 また、高次脳機能障害者には、次のような特性を持つ人もいます。事故などにつながるおそれがあり、本人に危険が及ぶ可能性があります。

・半側空間無視

 目に異常はないが、意識しているものの左右半分を認識することができないことです。認識できる側から話しかけたり、メモなどを渡したり、貼ったりしましょう。

・地誌的障害

 知っているはずの道で迷ったり、地図を読むことや位置関係を説明することができなくなったりすることです。出張や勤務地の変更などは避けるようにしましょう。