久喜市議会議事録より(平成28年12月1日:「高次脳機能障がい」について)

久喜市議会平成28年11月定例会の議事録が公開されていました。

 

高次脳機能障害についての質疑応答の部分を以下に転載。

 

◆12番(斉藤広子議員)

 議席番号12番 公明党の斉藤広子です。通告に従い、質問させていただきます。

 第1項目、高次脳機能障がいについてです。平成13年の代表質問で岡崎議員が高次脳機能障がいが制度の谷間に置かれている、市の実態調査はとの質問に対し、市長の答弁は、国や県の動向を注視して事業内容及び対策が明らかになった時点で速やかに対応してまいるとの答弁でしたが、15年がたちましたが、支援の仕組みがまだ久喜市ではできていないと思います。高次脳機能障がいは、病気や事故で脳が損傷されたことによって起こる後遺障がいで、主な症状としては記憶障がい、認知障がい、また行動障がい、人格変化など、新しいことが覚えられない、集中できない、複数の作業を同時に進めることができない、我慢することができない、怒りやすくなる、自発性が低下する、自己中心的になるなどの症状により社会生活が困難な状況となっているにもかかわらず、外見的にはけがや病気が治っているというように見えるため、本人や家族も後遺障がいに気づかないということが多いのでございます。そして、その結果家庭崩壊があったり、また経済的に深刻な事態となってしまうケースも多いと伺っております。そこで、本市におけるこの高次脳機能障がいへの支援についてお聞きしたいと思います。

 (1)、本市における高次脳機能障がいと診断された方は何人いるのか。また、年齢構成と男女比は。

 (2)、市民の方の高次脳機能障がいについての相談窓口はどこに置かれているのか。

 (3)番、市民に対して認知度が低い高次脳機能障がい、周知、普及啓発は。

 4番、高次脳機能障がいについての相談は何件ぐらい今来ているのか。

 5番、高次脳機能障がいは認知症にも似ていることから、障がい者福祉課、介護福祉課、保健センター、地域包括支援センター、学校関係などに相談が寄せられると思うが、相談を受ける側のスキルアップの研修はされているのか伺います。

 

◎福祉部長(田中利和)

 大項目1のご質問に対して順次ご答弁申し上げます。

 初めに、(1)でございます。高次脳機能障がいにつきましては、脳卒中や交通事故などの外傷により脳が損傷し、記憶、言語、注意障がいなどを起こすもので、外見からは障がいがわかりにくいと言われており、全国では50万人以上いると推計されております。本市における高次脳機能障がいにつきましては、現在障がい者福祉課の相談記録等から確認できました人数は10人で、年齢構成につきましては20代が1人、50代が4人、60代が3人、70代が2人で、男女別では男性が8人、女性が2人でございます。なお、高次脳機能障がいにつきましては、類似する診断名がついていることや診断を受けた全ての方が障がい福祉サービスを受けている状況ではないことから、本市における高次脳機能障がいがある方の実際の人数の把握は困難であると考えております。

 次に、(2)でございます。市民の方の高次脳機能障がいについての相談窓口でございますが、制度やサービスを利用するなどの一般的な相談窓口としては、市役所障がい者福祉課、各総合支所福祉課、ふれいセンター内の埼葛北障害者生活支援センターがございます。さらに、より専門的な相談窓口としては、埼玉県総合リハビリテーションセンター内の高次脳機能障害者支援センターがございます。高次脳機能障がいの症状は、脳の損傷により日常生活に支障が生じたり、感情コントロールができず、社会適応に問題が生ずるなどさまざまであることから、各総合支所、福祉課や介護福祉課、埼葛北障害者生活支援センター等と連携を図り、適切なサービスの提供につなげてまいりたいと考えております。

 次に、(3)でございます。高次脳機能障がいの疾患に対する理解の普及、啓発につきましては、埼玉県が実施しております高次脳機能障害地域相談会の開催を広報紙に掲載し、周知を図ったところでございます。高次脳機能障がいは、外見からはわかりにくく、また本人に自覚がないことも多いため、周囲の理解を得るためにもこの障がいに対する正しい知識や理解を深めていくことは重要であると認識しております。今後につきましても広報紙やホームページに情報を掲載するなど啓発に努めてまいります。

 次に、(4)でございます。高次脳機能障がいに関する相談件数でございますが、埼玉県高次脳機能障害者支援センターからの情報によりますと、久喜市内に住所を有する個人及び医療機関からの相談件数は、平成25年度に9件、平成26年度に8件、平成27年度に9件とのことでございます。また、本年度本市に直接相談があった件数は11件、市内小中学校に相談があった件数は1件、合わせて12件でございます。

 次に、(5)でございます。高次脳機能障がいに関するスキルアップの研修につきましては、埼玉県総リハビリテーションセンター主催の研修に地域包括支援センターの職員4人が参加しているほか、当事者団体主催の高次脳機能障害地域相談会に障がい者福祉課の職員が参加しております。また、保健センターでは、本年6月に開催された幸手保健所管内精神保健福祉連絡会議で提供された埼玉県内の支援の現状をまとめた資料を職場内で情報共有することにより、高次脳機能障がいに対する理解の促進に活用しているとのことでございます。今後につきましても関係職員が積極的に各研修会に参加することでスキルアップを図り、高次脳機能障がいのある方への適切な支援が行えるよう努めてまいります。

 

◆12番(斉藤広子議員)

 ご答弁ありがとうございました。第1項目から質問させていただきます。

 高次脳機能障がいについてであります。なかなか認知が不足している、こういう病名かなと思います。やはり外見がもう病気は治ったように見えるので、なかなかわかりにくく、家族の間とかで大変な問題だと思います。久喜市における人数について先ほどお聞きしました。部長のほうからも正確な数ではなく、たまたまご相談を受けた数なのでということでしたけれども、やはり久喜市としてまず何人久喜には高次脳機能障がいの方がいらっしゃるかということを把握していかなくてはいけない、そこからが始まりではないかなと思うのです。それで、この間も計画を立てるときにアンケートをとらせていただいたと思うのですが、そのアンケートの中には、あなたは高次脳機能障がいと診断されたことがありますかという質問事項がないのです。それで、ほかの市とかを見させていただくと、そういう障がい者の方にアンケートをとる機会にそのような質問をしたときに、ある程度の数が思いがけなく上がってくるということです。久喜市の人口からいくと、200人、300人のそういう方がいらっしゃると思うのです。ただ、相談されない、またほかのサービスと一緒に受けさせてもらっているということがあるのですけれども、高次脳機能障がいの支援の仕組みということをきちんと行政側が理解できているのか、またその人数についてどういうふうにこれからまた把握していこうと思っているのかお聞きいたします。

 

◎福祉部長(田中利和)

 まず、1点目の高次脳機能障がいの方の把握の関係でございますが、今ご質問者から提案のありましたようなアンケートの際に確認といいますか、項目を設けるというようなこと、これについては本市の障がい者福祉計画を立てる上でのアンケートが既に済んでしまったというようなこともございますが、今後の中ではそういったものも十分考えて項目に取り入れるような形で進めていきたいというふうに考えております。

 それから、高次脳機能障がい者の方のサービスの関係でございますが、それについては今現在フローチャートというのがございまして、それに基づいて担当職員のほうはどのようなところのサービスにつながるのかということを相談のあった方にお示しするような形で対応しているところでございます。これにつきましては、例えば脳の血管疾患であったのかとかその他の疾患であったのか、年齢が幾つであるとか障害者手帳はあるのかとか介護保険制度の該当であるとか、非常に細かくフローチャートができておりまして、そこのどこに当てはまっていくかによって現在ある障がい者福祉でありますとか高齢者福祉でありますとか、そういったもののサービスにつながるような形でご相談に応じるという状況でございます。

 

◆12番(斉藤広子議員)

 高次脳機能障がい、そのことだけを取り上げてやっていただくというよりは、どちらかというと症状が認知症の方に似ているという、そういう部分もあります。ただ、本当に脳卒中とかで今倒れられたりとか、そういう方も多いのですけれども、脳卒中で高次脳機能障がいになったという方もいらっしゃるのですけれども、その点はそういう相談があったりとか、あとは若い人、介護保険のほうで賄えない、そういう65歳以下の若い人たちに対してはどのように支援をされているのか。

 

◎福祉部長(田中利和)

 ご質問者おっしゃりましたように、高次脳機能障がいの関係、脳血栓、脳出血、クモ膜下出血とか、いろんな症状から入っていくということもございます。そういう中で、先ほども申し上げましたフローの中に、高齢の方については介護保険制度に入っていくというのはご質問者おっしゃったとおりでございます。それから、40歳から65歳未満ですとか、そういう方につきましては障がい者福祉のほうで、手帳までいかなくても対応できるようなサービスも中にはございますので、もちろん障害者手帳、それから療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、こういう3つの分野がございますけれども、そちらの中でのサービスにつなげていくというのが現在のご相談をいただいたときの対応でございます。

 

◆12番(斉藤広子議員)

 これから高齢者福祉計画とか介護保険計画とか障がい者の計画を立てていくと思うのですけれども、そういうときにぜひ算定の作業の流れで高次脳機能障がいについてどうなっているかということを一つ一つ見ていただいて、前年度と同じような項目を書けばいいということではなく、それがこれから一番作業が近い事業になってくるのかなと思うのですけれども、これからそういう部分で今までと同じということではなく、今後の高次脳機能障がいに対しての久喜市の取り組みということを考えていただけるかということで、先ほど冒頭にも言いましたけれども、13年のときにうちの岡崎代表が質問をさせていただいております。そのときには、久喜市としては本当に国と県の動向を注視して、事業内容及び対策が明らかになった時点で速やかに対応してまいるというふうに市長がお答えになっているのです。それから15年。本当に速やかに対応をしていけるように取り組んでいただきたいと思っています。この高次脳機能障がいがちょっと勘違いされてしまうのは、国とか県とかでこういう予算とかがおりてくるとか事業はこういうふうにやりなさいというものが来るのではなくて、あくまでもこれは市町村の事業なのだということを意識して取り組んでいっていただきたいと思いますが、最後にどうでしょうか。

 

◎福祉部長(田中利和)

 公的な福祉サービスの関係につきましては、先ほどのフローチャートでその方にどういったものが適したサービスであるか、当然これについては職員のほうも、先ほども申し上げました高次脳機能障がいに関する埼玉県リハビリテーションセンターで主催しております研修会、こういったところで職員のスキルアップを図りながら、そうしたもののサービスにつなげる、より適切な相談に乗れるように、それからやはりサービスにつきましては現行の高齢者のサービス、介護関係の高齢者のサービスとか障がい者のサービス、どうしてもそこにつなげるというのが第一義になってきますので、それをまず適切につなげないとなかなか相談者の方に満足いただけないといいますか、適切なサービスにつなげていけないという部分がございますので、そういう部分では市としてまずはその部分を今まで以上に相談にしっかり乗れるように、サービスにつなげられるようにこれからも取り組んでまいりますし、そういう意味では研修会にも、まだ平成27年からそういうところに職員を派遣するようになったものですから、極力毎年職員を派遣して、市でできるサービス、そういったものについて、それらについてもあわせて検討していきたいというふうに思います。

 

◆12番(斉藤広子議員)

 本当に高次脳機能障がいで働けなくなってしまうというと、経済的な部分で負担になったり、そこにお子さんがいたりとか、いろんなところにつなげていかなくてはいけない部分になってくると思いますので、ぜひそういうご相談をしたときには幅広く支援ができるような体制をよろしくお願いします。