春日部市議会議事録より(平成28年12月6日:高次脳機能障害について)

春日部市議会平成28年12月定例会の議事録が公開されていました。

 

高次脳機能障害についての質疑応答の部分を以下に転載。

 

◆22番(荒木洋美議員)

 議席番号22番、荒木洋美でございます。平成28年12月定例会一般質問を発言通告書に基づきまして行わせていただきます。

 3点目は、高次脳機能障害についてお伺いいたします。高次脳機能障害は、病気や事故で脳が損傷されたことによって起こる後遺障害で、主な症状としては、記憶障害、認知障害、また行動障害、人格変化などがあります。新しいことが覚えられない、集中できない、複数の作業を同時に進めることができない、我慢することができない、怒りやすくなる、自発性が低下する、自己中心的になるなど、症状により社会生活が困難な状況となっているにもかかわらず、外見的にはけがや病気が治っているように見えるため、本人や家族も後遺障害に気づかないことが多いようです。その結果、家庭崩壊であったり、また経済的に深刻な事態となってしまうケースも多いと伺っております。

 そこで、本市における高次脳機能障害者への支援についてお伺いいたします。まず、高次脳機能障害について、どのような認識を持っているのでしょうか。また、相談件数はどのぐらいあるのでしょうか、お伺いいたします。

 以上で1回目の質問を終わります。

 

◎内藤信代 福祉部長

 高次脳機能障害についてのご質問に答弁申し上げます。

 初めに、高次脳機能障害についての認識ということでございますが、高次脳機能障害は、先ほど議員のほうからもございましたが、交通事故などによる脳外傷、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、脳炎などによる後天的な脳の損傷に起因するもので、言語障害、運動障害、認知障害のほか、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが含まれます。高次脳機能障害は、身体的には障害が残らないことも多く、外見ではわかりにくいことから、見えない障害とも言われております。また、障害を負ったご本人も、ご自分の障害を認識できないことも多いため、周囲の方にも、ご本人にとっても理解が難しく、市におきましても実態が把握しにくい障害であると認識しております。

 次に、相談件数でございますが、昨年度は障がい者支援課の窓口で2件ございました。それから、市内3カ所に開設しております相談支援事業所、こちらは障害のある方やご家族などからの福祉に関するご相談や情報の提供を行うため、平成18年度から社会福祉法人や医療法人に委託して実施しております。こちらでの件数が4件でございました。

 以上です。

 

◆22番(荒木洋美議員)

 続きまして、3点目の高次脳機能障害についてお伺いいたします。相談は、市のほうへもことしは2件あったということで、市内の相談支援事業所には4件来ていることがわかりました。交通事故で高次脳機能障害になった場合は、病院の方から上尾市にある埼玉県総合リハビリテーションセンターを紹介してもらう場合等もあるようですが、脳梗塞などで病院にかかり、そのまま退院してから症状がおかしいと悩むケースなどもあるようです。また、徘回や怒りっぽいなど家族の負担も大きいようですが、高次脳機能障害についての本人や家族のための相談体制等はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。

 

◎内藤信代 福祉部長

 高次脳機能障害に対する相談体制ということでございますが、障害者総合支援法に基づき市町村が行います一般的な相談支援及び都道府県が行います専門性の高い相談支援がございます。都道府県は、高次脳機能障害がある方への支援拠点機関及び支援コーディネーターを配置し、専門的な相談支援や高次脳機能障害に関する研究等を行うとともに、自治体職員や福祉事業者を対象に研修を行い、地域での高次脳機能障害のある方への支援のための啓発と普及を行っているところでございます。埼玉県におきましては、高次脳機能障害のある方への支援拠点機関といたしまして、上尾市にございます、先ほどご案内ございました埼玉県総合リハビリテーションセンター内に高次脳機能障害者支援センターを設置し、ご本人やご家族、関係機関からの相談に対応する総合相談窓口を設けております。

 次に、本市におけます高次脳機能障害についてのご相談は、障がい者支援課及び庄和総合支所福祉課の窓口で担当職員がご本人及びご家族からの相談を伺い、適切なサービスにつなげるなどご相談者の状況に応じた支援を行っております。また、先ほど相談件数の際に申し上げました、市が委託しております3カ所の相談支援事業所での相談を実施しております。

 以上です。

 

◆22番(荒木洋美議員)

 相談体制はわかりました。認知症の場合は、さまざまな支援がありますが、高次脳機能障害のある方が利用できるサービスにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

◎内藤信代 福祉部長

 高次脳機能障害のある方が利用できるサービスにつきましては、年齢等により介護保険制度が優先される場合もございますが、高次脳機能障害に起因する記憶障害や注意障害等につきましても器質性精神障害として障害者総合支援法による障害福祉サービスが利用できます。具体的には、自立支援給付として介護給付と訓練等給付がございます。介護給付には、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、短期入所、療養介護、生活介護、施設入所等がございます。訓練等給付には、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援などがございます。このほか、手足の麻痺や失語など、言語障害が残ってしまった場合には指定医の診断により身体障害者手帳の対象となります。

 また、先ほど申し上げましたとおり高次脳機能障害は、器質性精神障害に該当することから、状況により精神障害者保健福祉手帳の対象となります。また、18歳前の受傷や発症で知的発達に障害が生じた場合、その状況により療育手帳の対象となります。これらの障害者手帳を取得することで、障害の種類やその程度に応じて利用できる制度もございます。

 以上です。

 

◆22番(荒木洋美議員)

 さまざまなご説明ありがとうございました。

 次に、高次脳機能障害は、外見でわかりにくいため、周りの方からの理解が受けられないケースがあります。特に担当する職員への周知、研修は大切です。また、市民へのさらなる啓発が必要と考えますが、本市としては、どのようなことを行っておりますか。また、今後の考え方もお伺いいたします。

 

◎内藤信代 福祉部長

 まず、担当職員につきましては、今年度4月と5月に埼玉県が実施しました研修に参加をさせていただきました。そこでは、支援の方法についての研さん等に努めているところでございます。さらに、担当職員だけでなく、全庁的にも適切な対応を徹底させる必要があるため、本年、平成28年7月には春日部市障がいのある人への配慮マニュアルを作成するとともに、これを用いた研修会を主幹級以上の職員を対象に実施いたしました。

 研修の内容といたしましては、障害のある方への対応の際に、配慮の前提として、思いやりを持って接すること、このことは全ての市民の皆様への対応として当然のことですが、特に障害のある方へは、障害特性を理解し、適切に対応する必要があること、また高次脳機能障害を初め障害の種別ごとに、その障害特性と対応時に配慮すべき事項などについて研修を実施したところでございます。また、この配慮マニュアルにつきましては、庁内グループウエアに掲載いたしました。職員がいつでも確認できるようにすることで、意識の高揚と適切な窓口対応につなげていきたいと考えております。

 次に、市民の皆様への啓発等でございますが、埼玉県の委託を受けております、高次脳機能障害のある方及びその家族のための相談支援を行う団体が市内において実施しております。高次脳機能障害地域相談会の開催に協力をしているところでございます。この事業の趣旨は、高次脳機能障害のある方やご家族、支援している方などを対象として高次脳機能障害の特性や、よくある誤解、わかってほしいことなどをご家族同士、あるいは当事者同士で話し合い、理解し合い、共有することにより互いに支え合うものです。平成28年度は、第1回目を9月12日に実施いたしました。2回目は平成29年1月23日に開催する予定でございます。

 また、市では障害のある方への文化、創作活動を支援し、発表の機会を提供するとともに、障害のある方への市民の理解を促進することを目的といたしまして、春日部市障がい者作品展を中央公民館との共催により実施しております。平成27年度から実施をいたしたものでございますが、今年度は12月6日火曜日から12月11日の日曜日まで中央公民館において開催を予定しているところでございます。このような機会を通しまして、障害のある方の活動をさらに市民の皆様や多くの方に知っていただくことは、障害のある方への理解を深めることにつながると考えております。

 また、今後についての考え方でございますが、障害のある方ご本人やご家族の気持ちに寄り添い、丁寧な相談対応に努めてまいりたいと考えております。そして、困っている方に自然に声かけできるような心のバリアフリーの推進に努めてまいりたいと考えております。

 以上です。

 

◆22番(荒木洋美議員)

 ありがとうございました。

 最後は、要望といたします。認知症の方の場合は世間の認知度も高くなってまいりまして、認知症サポーター養成講座や認知症カフェ、認知症地域支援推進員など、さまざまな取り組みがあります。高次脳機能障害についても皆で理解し、支え合う、周知、啓発をお願いいたしまして、12月の定例会一般質問を終了いたします。