蓮田市議会議事録より(平成28年12月9日:高次脳機能障がいについて)

蓮田市議会平成28年12月定例会の議事録が公開されていました。

 

高次脳機能障害についての質疑応答の部分を以下に転載。

 

◆11番(鈴木貴美子議員)

 11番、鈴木貴美子です。山口議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、順次一般質問を行ってまいります。

 大項目1、高次脳機能障がいについて。高次脳機能障がいの高次脳機能とは、人間ならではの高度な脳の働きで、注意を払ったり、記憶、思考、判断を行ったりする機能を指します。これらの機能を失ってしまうのが高次脳機能障がいです。最も多い原因は脳卒中で、脳の血管が詰まる脳梗塞、脳の血管が破れる脳出血、血管にできた動脈瘤が破裂するクモ膜下出血があります。次に多いのが外傷性脳挫傷で、交通事故のほか、スポーツ事故、転倒、転落でも高次脳機能障がいが起こることがあります。

 高次脳機能障がいは、症状があらわれていても外からではわかりにくく、自覚症状も薄いため、隠れた障がいとも言われております。高次脳機能障がいの診断基準においては、記憶障がい、注意障がい、遂行機能障がい、社会的行動障がいなどの認知障がいの中で進行性疾患でないものが高次脳機能障がいとなり、医療機関でも若年性認知症と高次脳機能障がいの鑑別診断が難しいのが実態です。

 蓮田市における支援体制についてお伺いいたします。

 (1)、対象者の現状は。

 (2)、相談窓口の体制は。

 (3)、認知障がいの方への支援として、認知症や若年性認知症と同様の支援が必要ではないか。

 (4)、認知度は低いが、理解を深めるための市民への周知・普及啓発は。

 

◎椿本美栄子健康福祉部長

 鈴木貴美子議員のご質問の大項目1、高次脳機能障がいについてのうち中項目1、対象者の現状はについてお答え申し上げます。

 高次脳機能障がいとは、先ほど議員からのご説明がありましたとおり、事故や病気などで脳に損傷を受けた後、記憶力や注意力の低下などの症状があらわれ、日常生活に支障が出てきてしまう障がいをいいます。

 高次脳機能障がいの症状は、損傷を受けた脳の部分や範囲によって異なります。症状としては、言葉の理解や表現が失われる失語や、食事や着がえなどの日常生活の行為ができない失行、また正しく物事を認識できない失認のほか、言われたことを忘れてしまうといった記憶障がいや集中力が続かなくなるといった注意障がいなどがございます。

 ご質問の対象者の現状でございますが、平成26年度の埼玉県の推計値では、県内には約1万5,000名ほどいらっしゃると推計されております。なお、蓮田市で障がい福祉サービスを利用している高次脳機能障がいのある方は12月1日現在で3名いらっしゃいます。

 続きまして、中項目2、相談窓口の体制はについてお答え申し上げます。高次脳機能障がいのある方に対する支援については、高次脳機能障がいの原因となった疾患や事故、年齢、ご本人の生活などによって異なります。福祉サービスとして、精神障害者保健福祉手帳の取得を含め、自立訓練や就労移行支援などの障がい福祉サービスの利用ができます。また、医療費や経済面においては、各医療保険制度や年金制度、休業補償制度等による支援、また就労や復学のための支援などがございまして、失われた機能を回復させ、日常生活が送れることができるようにさまざまな支援を行います。

 相談窓口としましては、市役所の福祉課等を含め関係各課や、医療機関では各病院の医療相談室などになります。また、より専門的な相談支援が必要な場合につきましては、専門の相談機関として埼玉県立総合リハビリテーションセンターに開設されている埼玉県高次脳機能障害者支援センターがございます。そこでは、ご本人、ご家族、関係機関からの相談に対応する総合相談窓口が設置されております。

 続きまして、中項目3、認知障がいの方への支援として、認知症や若年性認知症と同様の支援が必要ではないかについてお答え申し上げます。認知症は、高齢者に多い脳の病気で、脳の神経細胞が壊れることによって起こり、発症が65歳未満の場合に若年性認知症と言われております。

 認知症の方への支援としましては、介護保険サービスを利用したデイサービスなどの認知症状の悪化を防止する活動やホームヘルプサービスなどで日常生活の支援をしております。若年性認知症の方への支援としましては、介護保険サービスに加え、医療費の負担や就労が困難になった場合に、精神通院医療や精神障害者保健福祉手帳、また障害年金や失業手当の制度につなげる支援が必要となります。高次脳機能障がいも認知症も、脳の機能に障がいがある状態は同じでございますが、高次脳機能障がいについては、国が定めた診断基準において認知症のように進行性疾患を原因とするものは除外されておりますので、高次脳機能障がいと認知症の病態は違うものと考えられております。

 64歳までの高次脳機能障がいの方の支援につきましては、障がい福祉サービスを利用することになります。また一方、40歳から64歳までの方で若年性認知症の方につきましては、介護保険サービスの利用となります。また、65歳からは高次脳機能障がいの方も認知症の方と同様に介護保険サービスを利用していくことになり、年齢とその疾患によって受けられる支援が分かれることとなります。

 また、なお、現在策定を進めております蓮田市障がい者基本計画(第3期)において、蓮田市障害者計画等策定委員のご意見を伺いながら、高次脳機能障がい者に対する支援を盛り込む予定としております。また同様に、第7期の介護保険事業計画におきましても、認知症の支援とともに高次脳機能障がい者に対する支援を盛り込んでまいりたいと考えております。

 続きまして、中項目4、認知度は低いが、理解を深めるための市民への周知、普及啓発についてお答え申し上げます。障害者基本法は、平成23年8月に一部改正され、障がい者の定義について改正されましたが、この定義の中で高次脳機能障がいについては明記されませんでした。しかし、この法律の改正を審議する衆議院内閣委員会において、高次脳機能障がいは障害者基本法の定義にある精神障がいに含まれるという政府答弁がなされていることから、高次脳機能障がいのある方も障がい者として位置付けられることになりました。

 蓮田市では、平成27年3月に策定しました蓮田市障がい福祉計画(4期)や蓮田市公式ホームページの障害者差別解消法についての啓発ページの中で、障がい者の定義として精神障がい者に高次脳機能障がいが含まれることを明記しております。なお、平成28年4月より施行されました障害者差別解消法については、「広報はすだ」2月号に特集し、市民への周知、啓発をさせていただきました。今後も、障がい者に関する法律や制度改正の折に触れ、高次脳機能障がいを含む障がい者に対する理解をより一層深めるために、市民の皆様に対する周知、啓発を行ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

 

◆11番(鈴木貴美子議員)

 それでは、再質問させていただきます。

 まず、大項目1の高次脳機能障がいについてですが、先ほど障がい福祉サービスを利用している高次脳機能障がいの方が3名いらっしゃるということでしたが、具体的に相談をしていなくても、どうしていいかわからないでいる方もいらっしゃると思います。早期に発見し、治療や支援サービスにつなげられるよう、今後、計画策定の際にはアンケートなどをとり、高次脳機能障がいの人数を把握するべきではないでしょうか。ご答弁をお願いします。

 

◎椿本美栄子健康福祉部長

 再度のご質問にお答え申し上げます。

 現在、蓮田市では、平成30年度からスタートします第3期蓮田市障がい者基本計画と、また第5期の蓮田市障がい福祉計画の基本資料とするために、今月になりますが、アンケート調査を実施いたします。こちらのアンケート調査は2種類ございまして、障害者手帳をお持ちの方に向けてのアンケートと無作為抽出をした方へのアンケートという形で、2種類のアンケートを郵送させていただく予定でございます。その中の項目の一つとして、高次脳機能障がいについてのお尋ねを入れております。

 また、第7期高齢者福祉計画及び介護保険事業計画の策定のために、現在、その基礎資料とするためにアンケート調査を同じく予定してございます。こちらの調査項目につきましては、国が示す介護予防・日常生活圏域ニーズ調査に基づきましてアンケート項目を設定しておりますので、その設問の中に高次脳機能障がいについては触れておりません。しかし、高次脳機能障がいに対します支援としましては、この第7期の計画策定の中に位置付けていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。