鶴ヶ島市議会議事録より(平成28年12月15日:高次脳機能障害について)

鶴ヶ島市議会平成28年12月定例会の議事録が公開されていました。

 

高次脳機能障害についての質疑応答の部分を以下に転載。

 

◆1番(山中基充議員)

 続きまして、大きな3番として高次脳機能障害についてお伺いいたします。平成16年12月議会で高次脳機能障害について質問をいたしました。当時はモデル事業が始まったところでしたが、現在、高次脳機能障害は器質性精神障害として他の精神障害と同様、平成18年度から障害者自立支援法の支援の対象になっており、高次脳機能障害診断基準によって進行する疾患の場合は認知症、進行しない場合には高次脳機能障害となるなど、位置づけ整備されてきました。

 「高次脳機能障害」が精神障害に含まれることが市町村の障害者計画等に反映していないために、診断できる医療機関が少ないことや具体的な訓練や社会復帰支援などが十分に行われていない現状がなかなか改善されないとの指摘もあります。

 (1)、高次脳機能障害の市での位置づけと計画への反映について。

 (2)、高次脳機能障害の診断ができる医療機関の状況について。

 (3)、身体、精神両方の障害認定の状況と相談業務、訓練や社会復帰支援、介護への市の取組の状況についてお伺いいたします。

 

◎三村勝芳健康福祉部長

 ご質問の3の(1)から(3)につきましては、順次お答えします。(1)についてお答えします。高次脳機能障害は、事故による受傷や疾病の発症により脳が器質的な病変をこうむることか前提となります。その結果、記憶や注意、集中、物事の処理能力、感情コントロール等が阻害され、日常生活や社会生活が制約される状態を指します。脳を損傷により失語症や平行感覚の機能障害を重複して身体障害者手帳を取得する場合もあります。しかし、多くの場合、体の機能は回復して外見上は健常に見えても、認知障害を主たる要因として社会適用が困難となっている実態があります。こうした高次脳機能障害は、器質性精神障害として精神保健福祉手帳が交付されており、精神障害に分類されています。市障害者支援計画では、身体障害、知的障害、精神障害、難病を一元的に捉えて障害種別によって制度の谷間をつくらないよう計画に位置づけております。

 (2)についてお答えします。埼玉県内では高次脳機能障害に対応できる医療機関は60カ所あります。そのうち市が位置する川越比企圏域では12カ所、坂戸鶴ヶ島医師管内では坂戸市に1カ所あります。

 (3)についてお答えします。市では高次脳機能障害がある方は11名います。内訳は身体障害者手帳を所持する方が2名、精神保健福祉手帳を所持する方が8名、両方の手帳を所持する方が2名です。高次脳機能障害の原因となった事故の発生や病気の発症から数カ月間は病院での医学的リハビリテーションが行われます。その後、社会復帰に向けた障害福祉や介護サービスの利用が検討されることになります。現状では高次脳機能障害専門の福祉制度はありません。そのため、既存の制度の中で本人の障害特性やその意向を踏まえて個別に支援計画が立てられます。この要となるのが相談支援専門員とサービス等利用計画です。市では、このサービス等利用計画を踏まえ、心身の状態、家族や周辺環境の状況などを勘案し、自立訓練や就労意向支援等社会職業リハビリテーションにつながるサービスの支給を決定しています。今後も県総合リハビリテーションセンター、市生活サポートセンター、地域包括支援センター、ハローワーク等との連携により緊密にして的確な支援に努めてまいります。

 

◆1番(山中基充議員)

 山中でございます。ご答弁ありがとうございました。特に、高次脳機能障害等に関する当市の取組についても真摯にお答えいただいて、この後少しまた聞かせていただきますけれども、よろしくお願いいたします。

 

◆1番(山中基充議員)

 高次脳機能障害についてということで、特に今回、補正予算で鶴ヶ島市でも障害者関係で1億5,000万円の補正予算を組むということで、大変障害者施策については、金額としては進んでいるというのは、ご案内のように国連の障害者権利条約を批准するために国内法の整備ということで、障害者の自立支援法であったりとか、また差別禁止法であったりとか、そういった整備に伴いまして、この高次脳機能障害に関しましても位置づけがしっかりとしてきたということで、きちんと対応されているということでございまして、これでいいというところではありませんけれども、大分進んではいるということで認識をしております。その中において、この高次脳機能障害については、改めてこの場をおかりしてちょっとご説明といいますかご案内しますと、ご答弁にもありましたけれども、見た目には大変わかりづらい障害だということと、例えばイメージとしては、何となく交通事故の後に、体は大丈夫だけれども脳にダメージが残って高次脳機能障害があって、よくテレビドラマなんかだの典型だと、その日の記憶がその日でなくなってしまうとか、そういったことがイメージされて、何となく交通事故が原因というイメージがついて回りますけれども、実はもうそのうちの81.6%、これは東京都の数字なのですけれども、脳血管障害、要は脳梗塞であるとか脳卒中であるとか、それが原因で脳にダメージが残って高次脳機能障害を発病すると、発生すると。これは、よく脳梗塞で倒れた人は、感情的に何か涙もろくなるとか、感情が高ぶってコントロールできないとか、それは普通は多分障害と考えられないのですけれども、実はそれは障害で、脳のダメージがもとで行われていると。よく痴呆と間違えられるのですが、痴呆はどんどん進んでいきます。脳全体が萎縮をしたりしますけれども、この高次脳機能障害に関しては、そういった脳血管障害が原因だったり、また交通事故のような外傷が原因だったり、場合によっては溺れたりして低酸素症とかで脳に空気が行かなくてダメージを負って、ですからダメージを負った場所によって出方が千差万別で、その対応がなされづらいというところであって、我々が本当にごく身近にある障害だということもぜひとも、そういった広報等について、市としてきちんとやっていただければなと思うのですけれども、そのためにはさまざま、この障害者基本法については、いろいろと鶴ヶ島市としては、この精神障害としての高次脳機能障害、位置づけていただいたりはしておりますが、今回、今鶴ヶ島市として障害者福祉計画つくられておりますが、そういったところにもきちんと反映されていくのかということで、まずお伺いをさせていただきたいと思います。

 

◎三村勝芳健康福祉部長

 高次脳機能障害の啓発についてということについてお答えを申し上げます。なかなか議員ご指摘のとおり高次脳機能障害、身体的に外見上普通に見えるというようなケースが多いと伺ってございます。今ご指摘いただいたように、新たな記憶を体験できないですとか、計画的に物事を処理できなくなる。感情のコントロールができなくて、私ども伺っておりますが、支援者の方に対してその非難の言葉を浴びせ続けて関係が悪化してしまうというようなことも伺っております。そういう意味で、ご指摘のとおりその高次脳機能障害の正しい理解、啓発というものが大事だというふうに考えてございます。そういう意味では、さきの10月23日、女性センターハーモニーでも高次脳機能障害を理解するための学習会というのを、支える会こもれびと障害者支援ネットワーク協議会の共催で実施をさせていただいたところでございます。これらの者、市内には今ご相談を受けている方は11名いらっしゃるということで申し上げましたけれども、まだまだ社会の理解が進んでいないということで、計画の推進とあわせて、現状とこれらの課題について的確にPRをしていきたいというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

 

◆1番(山中基充議員)

 ちょっと細部にわたるのですけれども、特にこの高次脳機能障害については、特に脳血管障害が実は原因が多いということで、81%を超える。これは、正しいデータというよりも東京都が出した2008年の何かそういう分析で、対談等に載っていたので、それを見たわけですけれども、それは理学療養士の方との対談ですが、その方のイメージだと麻痺が残るような脳血管障害があると、ほぼやっぱりその高次脳機能障害も併発しているという、そんなイメージだそうでございまして、本当に身近なものなのですが、どうしてもそうなりますと、私の父も脳梗塞で倒れて右半身ちょっと麻痺になって、そのときはやっぱりすぐに身体障害者の1級になるわけですが、精神障害のほうは受けておりませんでした。いろんなことが考えられなくなって、今まで将棋とか囲碁が好きだったのですが、将棋は駒のことがうまく考えられずに囲碁ばかりをやるようになったりしたり、それも多分そうだったのだろうなと思っておるのですが、こういったことで、要は高齢者、そういった身体障害者のほうで障害者1級、また身体障害者1級、またそうすると今度は介護保険の介護の手当を受けるということで、40歳以上ですとそういうふうになっていくわけですけれども、その後本来ですとこの高次脳機能障害のいいところは、回復もするという、訓練次第では回復する可能性が高いということで、その機会をもしかしたら奪ってしまっているのではないかなと、現状で。そういった事例はないのかということで、掌握してあればまたその是正についてもお伺いをさせていただきたいと思います。

 

◎三村勝芳健康福祉部長

 高次脳機能障害を負った方のその能力、残存能力といいますか機能回復の取組でございますけれども、やはりサービス利用計画、またはケアプランをつくっていく中でご本人のご要望、また残っている能力を的確に把握をして、ドクター、医師の診断書、意見書等に、障害者サービスを利用する場合は医師の意見書が必要ですので、医師が対象者の方の状況を正確に把握している必要があるだろうと。そういう意味では、議員ご指摘のとおりなかなか専門的な医療機関がないということも悩ましいことでございますけれども、その辺も県内には国立リハビリテーションセンター専門の機関もございますし、上尾にも埼玉県の機関がございますので、そういうところで適正な診断、適正な身体、また意識の状況の把握をして、的確なサービス利用計画を作成することによって当事者が持っている能力、その自立の可能性を可能な限り引き出していきたい。市内では授産施設ですとか就労支援の施設もございまして、そういうものをご利用いただいて、実際に自立をしていただいた方もいらっしゃいますので、そういう例もよい例と参考として、的確な支援に努めてまいりたいというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。

 

◆1番(山中基充議員)

 医療機関についても今ご答弁ありまして、その思いといいますか問題意識は、私も同じように思っておりまして、埼玉県には上尾に県のリハビリセンターがあって、所沢に国のリハビリセンターがあって、そこには高次脳機能障害に対する見識を持ったお医者さんがいらっしゃって、診断も受けられる。逆に言うとそこまで行かないと正しい診断が受けられないという現状があって、ご答弁いただいたように、それができるのが坂戸鶴ヶ島の医師会では坂戸に1つあるだけと。若葉病院だというふうに伺っておりますけれども、そういったことについて、やはりもっとそれらの啓蒙といいますか、それを働きかけをする必要があるのではないかということで、改めてお伺いをさせていただくとともに、あと先ほど問題となった介護保険のほうが優先されて、その機会を失ってしまっているのではないかということも懸念されるわけですから、どちらかというと鶴ヶ島としては、高齢者と障害福祉とはもちろん分かれているわけですが、そういったところの連携も、今度は庁内としてきちんと進めていくべきではないかと、この2つに関して市のご意見といいますかご見解をお伺いをさせていただきたいと思います。

 

◎三村勝芳健康福祉部長

 その情報のPR、医療機関等のPRでございますけれども、医療と福祉の連携ということで、障害当事者、その高次脳機能障害の方々やご家族が円滑に支援が受けられるという体制づくりが大事だと思っております。医療分野での把握につきましては、埼玉県が行っているというふうに伺っておりますので、福祉分野におきましては、医師会と連携を行う場合については、県の窓口であります坂戸保健所を通じて情報共有とそのPRを図ってまいりたいというふうに考えてございます。

 また、ケアプラン、高齢者の介護保険との関係につきましては、基本線で申し上げますと、年齢が介護保険の対象になると介護保険サービス、介護保険サービスの中にこれまで障害者福祉サービスで受けていたサービスがない場合は、両方が併用できるということになってございます。先ほど申し上げましたように、残存能力といいますか、ご本人の回復の見込みがある方もたくさんいらっしゃいますので、しっかりとその障害者サービス、例えば就労移行支援ですとか就労継続支援のA型、B型ですとか、こういうものを的確に合ったサービスを提供することによって、よりご本人の能力の回復に向けられるのではないかと、社会復帰に向けた取組になるのではないかということで、障害分野、そして高齢分野のケースワーカー等々がしっかり連携をして的確な支援に努めてまいりたいというふうに考えてございます。よろしくお願いいたします。