さいたま市議会議事録より(平成28年12月5日:高次脳機能障害者支援について)

さいたま市議会平成28年12月定例会の一般質問。

 

議事録が公開されました。

 

高次脳機能障害に関連する質疑応答の様子を以下に転載。

 

◆吉田一志議員

  3 障害者支援について、(1) 高次脳機能障害者支援について。高次脳機能障害は、病気や事故で脳が損傷したことによって、記憶・認知・行動障害、人格変化などの症状が起こる後遺障害です。社会生活が困難な状況となっているが、外見的にはわかりにくいため、本人や家族も気づかないケースもあります。その結果、家庭崩壊や経済的に深刻な事態となってしまうケースは少なくありません。

 本市の高次脳機能障害者数は約5,000人と推計され、障害者更生相談センターに寄せられた相談対応件数は、平成26年度は延べ358件、平成27年度は延べ458件、平成28年度は半年で280件と増大しております。横浜市や京都市では、病院やリハビリセンターが拠点となって高次脳機能障害者支援を実施しておりますが、本市にはこうした拠点施設がないため、新しいモデルとして医療機関や福祉施設を初め、関係機関とのネットワーク形成などによって、多岐にわたる相談者対応ができる体制を構築することが急務です。

 同障害者への適切な支援を実施していくためには、障害の周知に向けた普及啓発が必要であり、支援にかかわる支援員のスキルアップ、関係機関とのネットワーク形成、寄せられた相談への専門的評価、困難事例への個別対応、当事者グループによる社会適応訓練の運営支援など、やるべきことは山積みとなっております。

 しかしながら、本市の支援体制は専従職員はおらず、障害者更生相談センター内の精神保健福祉士、保健師の2名が本来の更生相談業務と兼務しながら対応している状況です。このような体制で、果たして適切な支援ができるでしょうか。支援センターを設置し、拠点施設を持っている横浜市、京都市でさえ、専従6名の職員で運営している状況と比較すると、余りにも脆弱な体制と言えます。先日、当事者グループが主催する地域相談会に参加させていただきましたが、適切な支援ができれば当事者の社会復帰は可能であり、家族の負担軽減の影響も絶大です。そこで、2点お尋ねします。

 高次脳機能障害者への適切な支援ができるよう、しっかりと専従職員を配置し、専門性を持った人員を拡充していくべきと考えますが、御見解を伺います。

 また、ワンストップで当事者や家族からの相談への対応を実施することや、山積みとなっている課題解決に向け、(仮称)高次脳機能障害者支援センターの設置をするべきと考えますが、御見解を伺います。

 

◎藤原陽一郎保健福祉局長

 吉田一志議員の御質問の3 障害者支援について、順次お答えいたします。

 初めに、(1) 高次脳機能障害者支援についてお答えいたします。議員御指摘のとおり、高次脳機能障害は外見からはわかりづらく、症状も多様なため、専門的な評価に基づく適切な理解と支援が必要となります。症状の改善には時間を要し、支援経過が十数年に及ぶこともあります。また、本人に病識が乏しいため、リハビリテーションの実施や必要なサービス利用への動機づけが困難な場合も多く、結果として家族が大きな負担を抱えざるを得ない状況にあることが多々見受けられます。

 本人が環境にうまく適応できないことから、離職、鬱病、家庭内暴力といった二次的な問題につながることもうかがえます。現在、本市においては、各区の支援課と障害者生活支援センターが高次脳機能障害の一時相談機能を担っており、障害者更生相談センターがその後方支援を行っております。その支援内容は、諸制度の情報提供、障害への対応についての助言や提案、単身生活者への訪問支援、医療機関への受診の同行、サービス利用のための調整、専門医を交えたケースカンファレンスの実施など、多岐にわたっているところでございます。また、急性期、回復期、その後の地域生活における本人及び家族の生活を支えるためには、各時期の支援をつないでいくことや、生活に即したリハビリテーションを充実させていくことが必要となりますが、個々の医療機関や支援機関の取り組みだけでは限界があるため、障害者更生相談センターが関係機関ネットワークの形成などに取り組んでいるところでございます。

 これらのことから、議員御指摘の専門性を持った人員の拡充や高次脳機能障害者支援センターの設置は、高次脳機能障害者への支援を充実させていくための体制整備策の一つとして考えております。人員の拡充につきましては、高次脳機能障害の方へのリハビリには時間を要し、継続的な支援が必要であることから、現状の関係職員へのスキルアップや多くの一般職員への啓蒙が重要と考え、引き続き研修などの実施に努め、職員の質の充実を図り対応してまいりたいと考えております。

 また、高次脳機能障害者支援センターの設置は、軸となる拠点機関が必要となりますが、拠点機関は都道府県に設置義務が課せられており、埼玉県では総合リハビリテーションセンターがその役割を担っております。現在同センターと協力し、本人、家族、支援者に対しての地域相談会や医療機関向け研修を共催し、また市内の医療機関とも連携をとりながら、必要な支援の実施に努めているところでございます。

 今後とも高次脳機能障害者支援のあり方を市内の関係機関と情報を共有し、引き続き調査研究していくとともに、埼玉県や市内医療機関、福祉施設等と連携し、当事者家族への支援の充実に努めてまいります。

 

◆吉田一志議員

 それでは、再質問させていただきます。

 まず、高次脳機能障害者への支援についてでございますが、今御答弁では質の充実といったお話がございました。今従事している方は、質は十分あって、それで大変な状況になっているわけです。ですから、専従の職員をしっかりと配置する体制がつくれるようにやっていくと、ここが大事なのです。ですから、専従の職員を置くかどうかを、まず確認させていただきます。

 

◎藤原陽一郎保健福祉局長

 吉田一志議員の再質問にお答えいたします。

 まず、高次脳機能障害の方への支援に関する職員の対応ですが、先ほどお話ししましたとおり高次脳機能障害の患者につきましては、長期的な支援が必要となります。そのため、専門的な知識を持った方から職員が指導なりを受けて、長期間にわたって障害者の方と対応できるような体制が望ましいと考えておりますので、まずは一般職員も含めた職員の質の充実を図ってまいりたいと考えております。