杉戸町議会議事録より(平成29年2月27日)

杉戸町議会平成29年3月定例会の議事録が公開されました。

 

2月27日の一般質問における高次脳機能障害についての質疑応答を以下に転載します。

 

◆3番(伊藤美佐子議員)

 質問事項2、「高次脳機能障がい」に対する町の取り組みは。質問要旨、「高次脳機能障がい」とは、交通事故や脳の病気などにより脳の一部が損傷を受け、認知・記憶・意思・感情など高度な脳の機能に障がいがあらわれることです。身体機能以外の後遺症により社会復帰が困難な状態になり、家庭崩壊などにもつながっています。そこで伺います。

 (1)、杉戸町における「高次脳機能障がい」と診断された方は何人いるのか。

 (2)、「高次脳機能障がい」についての相談窓口はどこか、また相談件数は。

 (3)、住民に対し認知度が低い「高次脳機能障がい」の周知・普及啓発の現状は。

 (4)、「高次脳機能障がい」は認知症にも似ていることから、福祉課・高齢介護課・保健センター・地域包括支援センター、学校関係などに相談が寄せられると思うが、職員のスキルアップ研修会はされているのでしょうか。

 

◎千把幸夫福祉課長

 お答えいたします。質問事項2について、事務を担当しております私からお答えいたします。

 まず、質問要旨(1)についてでございます。私たちの脳は、複雑な能力を持っています。それは、コンピューターの比ではありません。テレビを見ては笑ったり、言葉を使ってコミュニケーションをしたり、きのうの出来事を覚えたりするようなことまで脳が関与しています。このような多彩な脳の働きの中で、ほかの動物と違う人間らしい脳の働きを総称して「高次脳機能」と呼んでいます。言いかえますと、「心」をつかさどる脳機能とも言えます。この高次脳機能が傷害されてしまいますと、社会生活にうまく適応できなくなることになります。ぱっと見た感じは普通ですので、障がいの程度によっては本人ですら気づかないこともあり、周囲から理解されにくい障がいの一つです。

 さて、議員ご質問の高次脳機能障がいと診断された方の数でございますが、大変申しわけありませんが、その総数は把握しておりません。

 その理由でございますが、まず身体障害者手帳をお持ちの方への対応時に、脳血管障がいや外傷の後遺症に付随し、重複障がいとして高次脳機能障がいと診断されている場合があります。この場合、主たる障がいでカウントするため、改めて高次脳機能障がいとしての人数は把握していないものでございます。

 また、主たる障がいが高次脳機能障がいの場合につきましては、分類上精神障がい者に計上されることになります。この集計は県が行っておりますので、数値につきまして問い合わせましたところ、統計上の集計項目が「症状性を含む器質性精神障害」というコード上の分類となっており、高次脳機能障がいのみの集計がなされていないため、議員ご指摘の趣旨の人数が把握できない状況となってございます。

 しかしながら、現在精神障害者手帳をお持ちの高次脳機能障がいの方で障がい福祉サービスを利用されている方が1人いらっしゃることを確認しておりますので、少なくとも1人は該当者がいるものと考えております。

 次に、質問要旨(2)についてでございます。相談窓口でございますが、昨年12月県からホームページに高次脳機能障がいの市町村担当課一覧の掲載を予定しているとのことで調査がありました。こちらにつきまして、担当課は福祉課と回答したところでございます。

 しかしながら、実際には相談する場所、例えば健康に関する相談の際にですとか、高齢者からの相談の際にといったケースにつきましては、それぞれ担当課で相談を受けることがあるかと思われます。

 福祉課における相談件数でございますが、平成26年度はゼロ件、平成27年度は5件、平成28年度につきましては現在ゼロ件となっております。

 高次脳機能障がい者に対する相談につきましては、障害者総合支援法の地域生活支援事業で定められた、市町村が行う「一般的な相談支援」及び都道府県が行う「専門性の高い相談支援」に位置づけられています。

 都道府県は、高次脳機能障がい者への支援拠点機関及び支援コーディネーターを配置し、高次脳機能障がい者に対する専門的な相談支援、関係機関との地域支援ネットワークの充実、高次脳機能障がいに関する研究等を行い、適切な支援が提供される体制を整備することとなっております。

 また、市町村職員や福祉事業者等を対象に研修を行い、地域での高次脳機能障がい者支援の啓発と普及を図ることが定められています。

 埼玉県では、平成23年4月に埼玉県総合リハビリテーションセンター内に埼玉県高次脳機能障害支援センターが開設され、高次脳機能障がいに関する総合相談窓口として、相談、診断、治療、訓練から社会復帰までを一貫して行う体制が整備されております。毎年3,000件ほどの相談を受け、助言・情報提供等の支援が行われているところでございます。

 次に、質問要旨(3)についてでございます。高次脳機能障がい及びその関連障がいに対する周知や普及啓発活動に関しましては、専門性の高い相談支援事業の一つとなっているため、障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業として都道府県が実施することとなっております。

 当町におきましても、高次脳機能障がいに対する正しい理解を普及促進するため、県の活動を鑑みつつ、町ホームページや「広報すぎと」などの広報媒体や各種イベントを活用し、対応を図ってまいりたいと考えております。

 次に、質問要旨(4)についてでございます。高次脳機能障がいにつきましては、先ほど答弁いたしましたとおり、障がいの程度によっては本人ですら気づかないこともあり、周囲から理解されにくい障がいの一つでございます。

 職員に対しましては、まず高次脳機能障がいを知ることが肝心でございますので、昨年8月に作成いたしました「障がいのある方への配慮マニュアル」に掲載し、周知を図ったところでございます。

 また、高次脳機能障がいの診断ができる医療機関につきましても、県内でも限られた病院となっております。

 高次脳機能障がいにつきましては、具体的な対策は始まったばかりでございますので、窓口における相談を通じて、高次脳機能障がいのケースが考えられる場合は、埼玉県高次脳機能障害支援センターを初めとする医療機関を紹介するなどして、専門的かつ技術的な指導、助言、情報の提供に努めてまいりたいと考えております。

 現在高次脳機能障がいに関する相談件数は少ない状況でございますが、関係各課との情報共有に努め、連携を図りながら対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆3番(伊藤美佐子議員)

 まず、高次脳機能障がい、これは余り周知されていない病名だと思っております。これが、症状は認知症に似ているというものでありますが、認知症は病気がだんだん進んでいく状況がありますけれども、この高次脳機能障がいというのは、その部分だけが障がいを持ったことによって、病気が進むということはないのですが、そのわかっているところをフォローすることが一番大事になってくるものでございます。

 杉戸町においても、この1人いらっしゃるということが把握されているようでございますが、なかなかわからないままでいってしまうという病気でありますので、しっかり町としてもこの病名に対する取り組みが必要ではないかと思いまして、提案させていただこうと思いました。

 これに対して、病気の障がい者に対するアンケートとか、それから病名とかいうものに対してどのように杉戸町は周知しているのか、その一端を教えていただきたいと思います。

 

◎千把幸夫福祉課長

 お答えいたします。

 周知の方法ということでございますが、第4期杉戸町障がい福祉計画策定の際、平成26年に実施いたしましたアンケート調査におきまして、あなたは高次脳機能障がいとして診断されたことがありますかとの問いを設けてございます。この問いに対しまして、あると答えた障がい者の方でございますが、51人ございました。この結果でございますが、ある程度の数字は出るものと予測はしておったところでございますが、アンケートの回収率が52.5%でございましたので、正確な人数の把握とはなりませんが、当町においてもこれだけの高次脳機能障がいの方がいらっしゃるということがわかったと考えております。

 このアンケート結果によりまして、第4期の計画に高次脳機能障がいに対する取り組みについての記述を反映する、こういった契機になったとは分析しているところでございます。

 以上でございます。

 

◆3番(伊藤美佐子議員)

 今後この障がい者福祉計画及び第5期杉戸町の障がい福祉計画というものが作成される予定だと思いますが、そこにはしっかりこの高次脳機能障がいの記載は盛り込む考えなのか、お聞きしたいと思います。

 

◎千把幸夫福祉課長

 お答えいたします。

 次回の計画についてでございますが、次回のアンケートでの設問につきましては、今後次期計画の概要が国、県から示されてまいりますので、これらの動向を注視しつつ研究してまいりたいと存じます。

 近隣市町でも設問を設けている自治体も見受けられますので、これらを含めて前向きに考えていきたいと、こう考えております。

 以上でございます。

 

◆3番(伊藤美佐子議員)

 三郷市なんかは、27年度からしっかりこの福祉計画の中に盛り込まれております。事業概要にもしっかり載っておりますので、そこを参考に、調べられていらっしゃるとは思うのですが、しっかり杉戸町にもこのサービスの提供を図るような形のものをとって考えていっていただきたいと思います。

 この現状を把握するということは結構困難なことでもありますし、また医師、医療とか福祉関係の部分でも、この提供の共通の認識がまだまだ進んでいない現状がありますので、やはり杉戸町のホームページにでも、あと広報紙にも、しっかりこの高次脳機能障がいの関係することの掲載は進めていただけるのでしょうか。

 

◎千把幸夫福祉課長

 お答えいたします。

 広報手段でございますが、「広報すぎと」やホームページも含めまして、またイベント等も行っておりますので、そういった場所、機会を捉えて周知を図ってまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆3番(伊藤美佐子議員)

 4点目に入れましたけれども、関連する担当課とかの人たちの職員のスキルアップ、研修会ということではどのように考えていらっしゃるのか伺います。

 

◎千把幸夫福祉課長

 お答えいたします。

 研修の関係でございますが、障害者差別解消法の施行に伴いまして、町では障がいを理由とする差別の解消の推進に関する杉戸町職員対応要領及び杉戸町職員を対象とした障がいのある方への配慮マニュアルを作成したところでございます。このマニュアルに、高次脳機能障がいに係る障がい特性や、配慮すべき事項について明記しているところでございます。

 また、職員対応要領には、職員に対して障がいの特性を理解させるとともに、障がい者に適切に対応するために必要なマニュアルの活用等により意識の啓発を図ると記してございます。

 そこで、高次脳機能障がいに特化した研修ではございませんが、障がいを理由とする差別の解消の推進を図るため、障がいの特性の理解や求められる役割について、昨年9月には新規採用職員、10月には所属長に対しまして研修を実施したところでございます。

 さらに、昨年6月に開催されました幸手保健所管内精神保健福祉連絡会議におきまして、県から資料が提供されてまいりました。この資料を課内で情報共有することにより、高次脳機能障がいに対する理解の促進に努めているところでございます。

 今後につきましても、機会を捉えまして関係職員が各研修会に参加することでスキルアップを図り、高次脳機能障がいの方への適切な支援が行えるよう努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

 

◆3番(伊藤美佐子議員)

 高次脳機能障がいの特徴について、いろいろ着目してサービス提供がされているとはまだまだ言えない現状でありますので、行政関係者、医療、福祉関係者など、おのおのの方面の関係者による幅広い取り組みが必要だと考えております。

 ある高次脳機能障がいとなった31歳の青年が、瀕死の交通事故でこういう脳挫傷と脳梗塞と硬膜下出血という診断をされて、リハビリをして、3年かかるとされていたものが4カ月で退院をされて社会復帰をされたというお話をお聞きしました。高次脳機能障がいがあるために、計画を立てることは、新しいことを覚えることが困難、難しい現状になっている。なので、メモをとるような工夫をしながら社会の中に溶け込んで挑戦をされているというお話をお聞きしました。まだまだ支援が届いていない現状ですので、杉戸町における高次脳機能障がいに対するホームページ、それから「広報すぎと」、またそういう周知の仕方をしっかり応援して拡充を進めていただきたいと思います。