朝霞市議会議事録より(平成29年3月17日)

平成29年3月朝霞市議会定例会(第1回)の議事録が公開されました。

 

3月17日の田原亮議員の一般質問における遷延性意識障害、高次脳機能障害についての質疑応答の様子を以下に。

 

◆19番(田原亮議員)

 続きまして、(3)障害者プランと障害福祉計画についてです。

 私は、もともとの専門といいますか、経験が多いのが認知症を初めとする高齢者福祉の分野ですので、本会議で取り上げるのも、みずからの経験に関連することが多いのですが、同時に、障害をお持ちの方々への支援にも取り組んでいます。

 脳外傷や脳疾患に伴う障害として思い浮かびますのが高次脳機能障害、そして遷延性意識障害です。脳外傷による高次脳機能障害に苦しむ青年との出会い、そして遷延性意識障害、遷延とは長引くという意味で、いわゆる植物状態と言われる状況が長期にわたる状態を言います。遷延性意識障害の当事者、そして御家族との出会いを通じて、当事者の視点から考えさせられることが多くございます。

 これら二つの障害における当事者から見た現状と課題、本市における取り組みについて、本定例会で取り上げたいと存じますが、それに先立ちまして、次年度策定に着手する予定の障害者プランと障害福祉計画についてお伺いいたします。

 これらの計画等に沿って、これまで本市の障害者施策が行われてきているわけですが、まずはこれまでの本市の取り組み、そしてその成果についてお伺いをさせていただきます。

 同じく、これらの計画等に文言として高次脳機能障害や遷延性意識障害は登場するものの、具体的方策について示されている部分はありませんので、これについての見解もあわせてお伺いをしたいと思います。

 

◎三田光明福祉部長

 2点目の高齢者・障害者福祉と権利擁護の(3)につきまして御答弁申し上げます。

 第4次朝霞市障害者プランは、障害の有無にかかわらず、「誰もが互いを尊重し共に生きる社会を目指して」を基本理念とし、障害のある人の自立と社会参加のため、福祉、保健、教育、まちづくりなどの各種施策を位置づけた平成24年度から平成29年度までを計画期間とした計画で、その進捗状況は、朝霞市障害者プラン推進委員会により点検及び評価を行っていただいております。

 第4期朝霞市障害福祉計画は、地域において障害のある人が自立した日常生活や社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービスなどの見込み量とその確保のための方策、地域生活支援事業の実施に関することなどを定めた平成27年度から平成29年度までを計画期間とした計画で、障害福祉サービスや障害児通所支援に係るサービス、地域生活支援事業の利用状況などについて、これまでの給付実績をもとに朝霞市障害者プラン推進委員会及び朝霞市障害者自立支援協議会において協議・検証していただいており、障害者プラン、障害福祉計画ともに、おおむね順調に進捗しているものと考えております。

 次に、障害者プランに位置づけ実施してきた施策としては、相談支援体制の整備では、はあとぴあ障害者相談支援センターの相談支援専門員の増員、虐待防止対策の充実では、障害者虐待防止センターの設置、啓発・広報活動の推進では、市庁舎における障害福祉施設の自主製作品展示販売会の機会の拡充などがございます。また、障害者プランに位置づけたもの以外に、朝霞市日本手話言語条例の制定や障害者差別解消法の施行に伴う各種事業などを実施しております。

 障害福祉計画につきましては、児童発達支援及び放課後等デイサービスに関して民間事業者による施設の開設などにより利用が進み、計画を大きく上回っている状況でございます。また、就労継続支援B型の施設などの充実に関して朝霞市障害者ふれあいセンターの開設をしたほか、社会福祉法人による施設整備を支援するなど、さまざまな取り組みを行っております。

 次に、現在の障害者プラン及び障害福祉計画における高次脳機能障害と遷延性意識障害の位置づけにつきましては、障害福祉計画の中で、精神障害のある人に高次脳機能障害のある人が含まれることや医療型の短期入所の対象者に遷延性意識障害のある人が含まれることなどを記載しております。

 なお、次期の障害者プラン及び障害福祉計画におけるこれらの障害のある方への支援などにつきましては、今後進めていく策定作業の中で検討してまいりたいと考えております。

 

◆19番(田原亮議員)

 続きまして、(3)障害者プランと障害福祉計画について、本市における今までの取り組み及び成果を伺いました。

 今回取り上げます二つの障害に共通するのは、余り知られていないという現状も相まって、外部から見えにくく、声を上げにくいという点にあると思います。これらの障害に対する理解を広めていくためにも、まずはどのような実態があるのか、そこを把握する必要があると思いますので、目標を持って取り組むことをぜひ次年度以降に着手する計画に盛り込んでいただくようにお願いをしたいと思います。

 また、当事者や家族の会などの活動が根づき継続していく中で、そのような方々が実際に置かれている状況がさらに明らかになってくると思いますので、今後の計画等を作成していくに当たっては、当事者や家族の会に対する支援の視点もぜひ入れていただきたいと考えています。

 遷延性意識障害につきましては、その障害に対する理解もさることながら、多くの家族が疲弊し、将来への不安を感じています。先ほど家族会10年を記念して出された「家族の歩み」ですね、何部かいただきましたので、後でお渡しをしたいというふうに思いますが、例えば、たんの吸引等に関しましては、24時間やはり必要な状況であり、ケアコア、ケア・テイカー、レスパイトケアの視点が必要だと、このように思いますが、事業者や医療機関の不足は喫緊の課題です。このような状況に対し、今後の計画等ではどのような位置づけがなされていくのか、市の見解をお伺いしたいと思います。

 そして、高次脳機能障害につきましては、やはり重要なのが早期発見・早期治療、そして十分な理解と知識による個別具体的な支援であると考えています。その症状は人によってさまざまですが、本人すら気づいていないという状況も現実としてある中、まずは支援体制の構築を具体的に計画等へ位置づけていく必要がある、このように思っています。

 埼玉県では、高次脳機能障害者支援センターを設置し、高次脳機能障害者地域相談支援(サポート)事業を実施しています。より専門的な知識を有する職員を市町村や事業所に派遣してくれるこの事業ですが、市内での活用実績があるかどうか、また今後の計画等にどのように位置づけていく方針であるのか、これにつきましても市の見解をお伺いしたいと思います。

 

◎三田光明福祉部長

 2点目の高齢者・障害者福祉と権利擁護の(3)の再質問につきまして御答弁申し上げます。

 高次脳機能障害のある方につきましては、近年、その障害の周知も進み、診断される事例がふえておりますが、いまだに診断がなされず、御家族を含め、御本人すら気づいていない場合もあり、実態の把握が難しい現状がございます。現在把握している状況で申しますと、本年1月現在で、精神障害保健福祉手帳を所持する879人のうち、20人の方が該当しております。

 遷延性意識障害のある方につきましては、身体障害者手帳の申請で提出される診断書に、障害の原因となる疾患は記載されていても遷延性意識障害の記載がない場合があり、同様に実態の把握が難しい現状がございます。

 なお、現在把握している方は、身体障害者手帳を所持する2,951人のうち、1人でございます。

 次に、第5次障害者プラン及び第5期障害福祉計画における位置づけにつきましては、高次脳機能障害と遷延性意識障害がともに実態把握が難しい障害であることや、仮に障害者手帳を取得されていても、日常生活に大きな困難があり、介護負担が非常に重い障害であることを認識しておりますので、こうした現状につきまして、当事者や御家族の御意見を伺い、実態を把握した上で検討してまいりたいと考えております。

 次に、埼玉県が実施している高次脳機能障害者地域相談支援(サポート)事業につきましては、これまでのところ、本市における利用実績はございません。しかしながら、平成25年度から県の事業の高次脳機能障害地域相談会を後援し、市内で年2回実施し、当事者の方や御家族に相談の機会を提供しており、あわせて職員を派遣し、実態の把握に努めております。

 なお、こうした活動を通じて、平成28年4月から当事者及び家族の会でありナノ朝霞が活動を開始され、同会がピア・カウンセリングと一般相談を実施されております。この事業の障害者プラン及び障害福祉計画への位置づけにつきましては、事業に対する県の考え方や取り組み方針などを十分に確認した上で、検討してまいりたいと考えております。

 

19番(田原亮議員)

 続きまして、(3)障害者プランと障害福祉計画についてです。

 遷延性意識障害、そして高次脳機能障害については、障害者プラン及び障害福祉計画への位置づけを検討していくこと、そして精神保健福祉手帳や身体障害者手帳所持者から見た把握状況についても頂戴いたしました。

 長く朝霞の地で福祉の仕事をしてきた私自身の実感として思いますのは、把握できている人数が圧倒的に少ないということです。診断書への記載については、これはこれで課題ですから、その周知についてやはり計画的に進めてほしいと思うところですが、実際の把握が難しいことの一つに、障害だけでなく高齢者施策も密接に関連するにもかかわらず、横断的な取り組みがないことが挙げられるのではないでしょうか。

 例えば、脳血管疾患に伴う障害であれば、介護保険2号被保険者の場合、介護保険が優先されます。そして、介護保険を補完する形で障害福祉サービスの利用が可能な場合もあるのですけれども、ケアマネジャーを初めとする介護事業者側に十分な理解がないと、連携そのものが難しい場合もあります。当然、実態すら十分に把握することが難しいのです。この点、ちょっと担当課が違いますけれども、次期高齢者福祉計画・介護保険事業計画でも、今回取り上げさせていただいた点に着目し、横断的に盛り込んでいただくことを要望したいと思います。

 それぞれの障害をお持ちの当事者、家族の皆様との交流を通じて感じますのは、なかなか理解してくれないという孤立感・孤独感をお持ちであるということです。障害のわかりにくさ、知られていないという現状、そして一人一人置かれている状況や症状が違うことも要因として考えられます。

 だからこそ、本市における障害者プラン・障害福祉計画に明確な目標と方針が盛り込まれ、その取り組みの成果を感じられることこそが当事者、家族の方々の安心・希望につながるのだと、このように私自身は考えております。これからの策定プロセスの中では、ぜひこのような視点を踏まえ取り組んでいただきますよう切にお願いを申し上げまして、この質問は閉じます。よろしくお願いしたいと思います。