富士見市議会平成30年第1回定例会議事録より

富士見市議会のホームページで、平成30年第1回定例会の議事録が公開されていました。

 

平成30年3月7日の一般質問での寺田玲議員と健康福祉部長の間でなされた高次脳機能障害についての質疑応答は以下の通り。

 

◆10番(寺田玲)

 

 まず、大きな1、高次脳機能障がい児・者施策の充実についてお伺いをいたします。高次脳機能障がいとは、脳卒中など脳の病気や交通事故等の外傷により脳が損傷を受けた後に起こる障がいです。厚生労働省の診断基準では、記憶障がい、注意障がい、遂行機能障がい、社会的行動障がいの4障がいを指しますが、脳の損傷部位によってさまざまな症状が出現します。日常生活や社会生活を送る上で困難を生じやすい一方で、外見からは障がいがわかりにくく、当事者に自覚がないことも多いため、見えない障がいとも言われています。そのため、障がいがあると認識されないまま、家族が抱え込んでしまうことが多く、適切な理解と支援が必要です。

 高次脳機能障がい者は1,000人に4人、これは2008年、東京都の調査をもとに累計をした数字ですが、全国では約50万人いらっしゃると言われています。この数を富士見市に当てはめますと、440人となります。救命医療の進歩により一命は取りとめたものの、高次脳機能障がいになる方は今後も増え続けると予想されます。現在、この障がいを抱えている方の状況は、診断やリハビリをしてくれる医師や病院が見つからなかったり、手帳の取得に必要な診断書を断られたり、本人や家族の悩みを共有できる場がないという方も少なくありません。早期診断、早期手帳取得、早期リハビリにつなげるためにも、富士見市の施策の現状と充実を求め、4点伺います。

 (1)、高次脳機能障がいについて、改めて市の認識を伺います。

 (2)、市内の高次脳機能障がい児・者の人数、手帳保持者数、支援を利用している人数とどのようなサービスを利用しているのかお答えください。

 (3)、高次脳機能障がい児・者の早期発見、早期診断、手帳取得につなげていくための連携として、国及び県の総合リハビリテーションセンターとどのように連携をとっているのか、また地域自立支援協議会に高次脳機能障がいの当事者や家族が参加しているのか、当事者の声が施策に反映されているのかお伺いをいたします。

 (4)、高次脳機能障がいに対する周知・啓発についてです。相談体制の拡充についてですが、ここでパネルを使います。今、自治体ではホームページにて、例えば新座市では高次脳機能障がいに対応できる医療機関一覧を掲載しています。また、こちらのように、さいたま市では高次脳機能障がいに特化したページを開設し、高次脳機能障がいについて、カラーでイラストも交えてわかりやすく解説をしています。これは、さいたま市のホームページから拡大コピーをしたものです。本市においてもこのような情報をホームページへ掲載してはどうかと考えますが、見解を伺います。

 また、家族会や学習会の取り組みに関して情報提供等を行っている自治体もあります。情報提供や家族会、学習会の実施を検討してはどうでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 議員ご質問の大きな1点目、高次脳機能障がい児・者施策の充実についての(1)、高次脳機能障がいについて市の認識を伺うについてお答え申し上げます。高次脳機能障がいは、主に脳血管疾患や交通事故、転落等による脳外傷など後天的な脳損傷を原因とし、症状も外見ではわかりづらく、記憶の障がい、遂行機能の障がい、見落とし等、単純なミスが多い注意障がい、感情の抑制ができないなど、人によって異なるため、見えにくい障がいと言われております。法律等の制度においては、高次脳機能障がいに特化したものがなく、例えば手足の麻痺や失語症があれば身体障害者手帳、器質性精神障がいに該当すれば精神障害者保健福祉手帳の対象となります。そこで、市では、それぞれの状態や症状に応じた支援が必要であるという認識のもと、利用できる制度をご案内し、支援を行っているところでございます。

 次に、(2)、市内の高次脳機能障がい児・者の人数、手帳保持者数、支援を利用している人数とどのようなサービスを利用しているかについてお答え申し上げます。先ほども申し上げましたが、高次脳機能障がいに特化した制度はなく、状態、症状に応じて取得する手帳も違う上、障がい福祉制度ではなく介護保険を利用する方や制度を利用しない方もいらっしゃいますので、正確な人数の把握はできておりませんが、障がい福祉課が相談等により把握している方は15人でございます。皆、障害者手帳を所持しており、内訳は、身体障害者手帳10人、精神障害者保健福祉手帳6人となっております。このうち障がい福祉サービスを利用している方は12人で、利用しているサービスは、施設入所、生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援B型等でございます。

 続きまして、(3)、障がい者支援計画における高次脳機能障がい児・者の早期発見、早期診断、手帳取得のための連携体制と地域自立支援協議会での位置づけについてお答え申し上げます。障がい者支援計画において精神障がいに高次脳機能障がいを含むと明記しておりますが、高次脳機能障がいは原因の8割が脳血管疾患、1割が頭部の外傷と言われており、まずは医療機関での治療とリハビリが優先して行われるため、医療機関の役割が大きいものと考えます。高次脳機能障がい者支援拠点機関となっている埼玉県総合リハビリテーションセンターとの連携につきましては、県主催の研修会へ参加をしており、対象者がいる場合には高次脳機能障害者地域相談支援事業の活用も検討してまいりたいと考えます。地域自立支援協議会において高次脳機能障がいをお持ちの当事者は参加しておりませんが、当事者が利用している事業所の職員が参加しておりますので、その方たちの意見が協議に反映されているものと考えております。また、各ケースワーカーによる個別支援や相談支援専門員によるサービス等利用計画の作成、経過を見るためのモニタリングにおいても当事者の意見を詳しく伺い、サービスに反映されるよう努めております。

 最後に、(4)、高次脳機能障がいに対する周知・啓発・相談体制の拡充についてお答え申し上げます。高次脳機能障がいに対応できる医療機関一覧のホームページでの情報提供につきましては、議員ご提案のとおり、速やかに実施してまいります。また、本市で現在活動されている家族会等の組織は把握できておりませんので、県や朝霞保健所管内での取り組みについて、ホームページにより情報提供を行ってまいりたいと存じます。

 

◆10番(寺田玲)

 

 まず、大きな1番の高次脳機能障がいにつきまして再質問をさせていただきます。健康福祉部長は法的な根拠は今のところないというふうにおっしゃっておりましたが、障害者総合支援法ですとか精神保健福祉法の中では高次脳機能障がいというものがきちんと位置づけられていると思いますけれども、その辺の認識はいかがでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 先ほどもご答弁を申し上げましたとおり、高次脳機能障がいに特化した特別法等の法律はないということでございます。

 

◆10番(寺田玲)

 

 言葉の、特化したということだと思います。

 続きまして、相談の人数なのですけれども、担当課のほうで把握されている人数は現在15名ということでした。国や、全国で行われている調査の数、1,000人に大体4人ぐらいということが言われております。先ほど壇上でも言いましたが、大体、富士見市、11万人口の自治体ですと、440人ぐらいはそういった高次脳機能障がいをお持ちの方がいらっしゃるということが推計されるのですけれども、この推計の人数と実際の市が把握している人数がかなり乖離があると思うのですが、その辺の、なぜ乖離があるのか、担当課としては、健康福祉部長としては乖離の原因についてはどのようなご見解をお持ちですか。

 

◎健康福祉部長

 

 要は、こちらといたしましても、それを把握することが制度上困難でございます。したがいまして、ご本人からの、あるいはまたご家族からのご相談がないと、なかなかこちらも把握に入っていけないというのが現状かと思います。

 

◆10番(寺田玲)

 

 ここが高次脳機能障がいの方の支援がおくれてしまう原因のようなのです。どの自治体でも、なかなか利用者に出会えないと、どこにいるのかよくわからないということをおっしゃっているそうです。実際に相談につながった方からの聞き取りからは、どこに相談してよいかわからなかった、相談先があったことを知らなかったという声が寄せられています。

 現在、市の相談窓口はどこになっているのでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 障がい福祉課でございます。

 

◆10番(寺田玲)

 

 障がい福祉課のほうが一時的な窓口となっていると認識しております。

  また、市内にあります障がい者基幹相談支援センターでもこの相談を受け付けているというふうに認識しておりますが、それは合っていますでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 昨年10月から市内に立ち上げております障がい者基幹相談支援センターのほうでも相談を受け付けております。

 

◆10番(寺田玲)

 

 富士見市では2カ所が相談窓口になっているということなのですけれども、それはどのような形で市民に周知されているのでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 ホームページ等で周知をさせていただいているところでございます。

 

◆10番(寺田玲)

 

 今、健康福祉部長、ホームページで紹介をしているというふうにおっしゃったのですけれども、高次脳機能障がいというワードを検索しても、富士見市ではそれがすぐには出てきません。高齢者保健福祉計画ですとか障がい者支援計画の中ではそれが出てきます。ここで相談できますよということは出てこないのです。

 例えばなのですけれども、さいたま市、2013年から高次脳機能障がい者への支援体制づくりに取り組んできております。やはり、最初の取っかかりは相談できる場所の周知だったそうです。市の担当課と支援センターで相談ができるということをホームページで紹介したそうなのですけれども、富士見市でもぜひ周知方法の工夫が必要と考えますが、ご見解をお願いします。

 

◎健康福祉部長

 

 先ほどもご答弁申し上げましたとおり、ホームページ等の掲載については、現在、他市の事例も参考にしながら作成をしている最中でございますので、これを速やかに公開をさせていただく予定でおりますが、その中には議員ご指摘のとおりのものにつきましても検討をさせていただくということで考えております。

 

◆10番(寺田玲)

 

 健康福祉部長の前向きなご答弁にうれしいです。

 また、相談先の見える化に加えて、さいたま市では、相談窓口の職員の気づきのスキルを上げるために担当職員や支援センターの職員の研修を実施したところ、窓口での高次脳機能障がい者の対応件数が2012年には220件だったのに対し、事業開始の2013年では377件、2014年には498件と倍増したとのことです。ぜひ、職員のスキルを上げるための研修、さいたま市では年に2回行っているそうなのですけれども、この研修の実施についてはご見解はいかがでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 まず、職員につきましては、県や専門機関が実施しております研修を既に受講しておりまして、知識を高めることについて努めているところでございます。また、相談支援事業所も多くございますが、事業所同士で学習会を実施していただいて、情報交換等を通じてスキルアップに努めているところでございます。

 

◆10番(寺田玲)

 

 また、なかなか、健康福祉部長の答弁でもありましたように、医療機関との連携、最初は医療機関が非常にかなめとなってくるというご答弁でした。

 ちなみに、富士見市では脳血管疾患の回復期や急性期のある病院との連携については今どうなっていますでしょうか。

 

◎健康福祉部長

 

 障がい者というよりも、現状では介護保険との関係で、医療、介護の連携は図られておりますが、この中に脳障がいにつきましても、その部分での連携というのは既に図られているというふうに認識しておりますが、ただ、高次脳機能障がいに限っての連携というのは特に今のところはないということで認識しております。

 

◆10番(寺田玲)

 

 まさに健康福祉部長のおっしゃるとおりで、やはり、高次脳機能障がいは障がいの分野なのですけれども、介護の分野との連携、また医療の分野の連携、いわゆる横の連携が非常に重要になってくると思います。

 例えばさいたま市では、回復期や急性期のある病院を市の障害支援課の担当職員が回って連携をお願いしているそうです。病院側も患者の退院後のことを心配しており、地域の行政機関と連携することを望んでいるそうなのですけれども、ぜひ、介護の分野だけでなく、障がいの分野、職員が一体となってこういった情報を収集、また連携に努めていくべきと考えますが、再度ご答弁をお願いします。

 

◎健康福祉部長

 

 これは、やはり医師会と連携しながら今後も努力をしていきたいというふうに考えております。

 

◆10番(寺田玲)

 

 実際に、さいたま市の職員、現場を立ち上げた職員は、やはり、医師会も非常に重要なのですけれども、現場の職員、その病院のいわゆる相談員に直接出向いていって、訪問して懇談をしたということでした。ぜひ、そういった現場にも出向いて、そういった連携が必要と思いますが、再度ご答弁をお願いします。

 

◎健康福祉部長

 

 現状でも、必要な際には医療機関等に職員が出向きまして、情報共有あるいは連携した支援といったものについて協議をさせていただいておりますので、今後はさらにそちらのほうも力を入れたいというふうに考えます。

 

◆10番(寺田玲)

 

 最後に、家族会についてなのですけれども、情報収集などに努めて、情報提供を行っていくという健康福祉部長のご答弁でした。

 さいたま市でも、最初は家族会はなかったそうです。さいたま市でそれを担ってくださっている、ナノさいたま当事者会ですとか脳血管障がいの家族会と連携をとって、まずは場所を貸すことから始めたそうです。すると、家族の生の声が県の担当課も聞こえてきて、必要な支援が見えてきたということでした。ぜひ、こういった県の専門の家族の支援団体などとも連携をして、こういった取り組みも実施してはいかがと思いますけれども、ご見解をお伺いします。

 

◎健康福祉部長

 

 まず、1つの市で取り組む内容よりもより広い範囲で、例えば県のほうのリハビリテーションセンター等の情報も共有しながら、家族会につきましてもできるだけ情報を把握していきたいというふうに考えております。