高次脳機能障害に関する蕨市の対応について

平成30年第1回蕨市議会定例会。

 

3月20日、鈴木智議員が「高次脳機能障害に関する蕨市の対応について」をテーマに一般質問で高次脳機能障害のことを取り上げてくださいました。

 

以下に、議事録より、その時の質疑応答の部分を抜粋し転載します。

 

◆7番(鈴木智議員)

 最後にお聞きするテーマは、高次脳機能障害に関する蕨市の対応についてであります。私にとっては初めて取り上げるテーマです。

 最近、有名なミュージシャンの家族にかかわる報道であるとか、テレビではドラマや特集などでも取り上げられておりますので、耳にしたことがある、こういう方がいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にはまだまだその実態は知られていない障害だと思います。

 実際に私も一般論としては知ってはいましたけれども、恥ずかしながら身近な問題としての認識はつい最近まで持たないまま過ごしてまいりました。

 最近、家族がこうした障害に見舞われ苦労されたという市民の方や、そうした皆さんを支援してきた家族会の方からお話を伺う機会がありました。

 その方は、10年ほど前、家族が突然の事故により高次脳機能障害になったということでありました。しかし、退院時は特に症状は気にならなく、そうしているうちにだんだん記憶や行動に障害があらわれてくる。それまでとは人が変わったような状況になる、しかも市など行政に相談しに行っても、特に、当時はまだ余り知られていない障害だったということもあったのかもしれませんが、たらい回しという状況で、不安や孤独感は深まるばかり、そんな状況が2年から3年も続いたというお話でありました。

 そうした中でやっと家族会の活動に出会い、適切な相談やアドバイスを通して何が起きているのか、そしてどのような支援制度があるのか、そうしたところにつながり、初めて本当に助けられた思いだったという、そうしたお気持ちをお聞きいたしました。

 長期間にわたり不安な状況が続き、必要な支援が受けられない、こうした状況をなくしていくことが必要なのは言うまでもありません。

 さて、高次脳機能障害については、各自治体のホームページでも紹介されております。蕨市のホームページでも関連情報として掲載されており、「高次脳機能障害とは、事故や病気などで脳に損傷を受けた後、記憶力や注意力の低下などの症状があらわれ、日常生活や社会生活に支障が出る障害です。症状は、損傷を受けた脳の部分や範囲によって異なり、失語・失効・失認のほか、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などがあります。症状が外見からわかりにくく、また本人に自覚がないことも多いため、『見えない障害』と言われることもあります。そのため障害者の周囲の方にも、この障害に対する理解が必要です」とされております。

 基本的にはこのとおりだと思います。しかし、これだけではよくわからないという方も多いのではないでしょうか。症状は一見認知症に似ております。医学的概念として重なり合う部分も多いということであります。しかし、認知症は進行することが多いのに対し、高次脳機能障害は、適切なリハビリ等によって症状の改善が見込まれるなど、その特性には違いがあります。そしてこのことが本来であれば、高次脳機能障害の人がいち早くサポートを受けることの大切さにつながってくるものと認識をしております。

 平成20年、2008年に行われた東京都の調査では、当時東京都でこの障害を持つ人は約5万人とされました。このことから約1,000人に1人程度こうした障害を持つ方がいるのではないかと言われておりますが、これで見ると、蕨市では300人近い数字に上ることになるでしょうか。また、実際にはこうした割合よりも多くの皆さんがこの障害で苦しんでいるというお話も聞いております。

 しかし、一方で実際に把握されている人はどの程度いるのか。まさにここの差、ここの部分に本日取り上げるこのテーマの主な問題点があらわれていると考えます。

 これまで高次脳機能障害についての調査や支援策については、国・県レベルではそれなりの対応が始まり、効果も上がっているようです。しかし、市町村レベルとなりますと、残念ながら取り組みの差は大きい状況を見てとることができました。

 財政規模などで水準に差が生ずることはやむを得ない部分もありますが、しかし、障害を持つ方やその家族の実態を考えれば、自治体の規模の差を理由に扱いが違う状況が生じて仕方がないということにはなりません。先進自治体の成果を生かし、制度を参考にしながら、県などのサポートを十分に生かして対応する、そうした姿勢をしっかりと持っていくことがまずは必要だと思います。

 以上の状況と、私の認識を紹介し、以下具体的にお聞きをいたします。

 第1に、高次脳機能障害の特徴、支援のための制度、社会的な理解の状況など、現状と課題についての認識はどのようか、お聞きをいたします。

 2点目に、蕨市におけるさまざまな計画があるわけですが、その計画の中でどのように位置づけられているのか。相談受付や福祉、介護の制度・サービスでの対応、医療との連携など、具体的な対応はどのように行われているのか。また、蕨市で高次脳機能障害の方が何人おられるか。この間の相談件数、福祉・介護の制度やサービスの利用状況はどのようか、お聞きをいたします。

 3つ目に、市立病院での対応をお聞きいたします。これまで患者に高次脳機能障害があるケースや疑われるケースはどの程度あったのか。福祉・介護・医療等の連携が必要とされる分野だと認識しておりますけれども、この点で蕨市での対応はどのようか。また、福祉・介護・医療等の連携はどうか、お聞きをします。

 4点目は、県の高次脳機能障害者支援センター、これは埼玉県総合リハビリテーションセンターにあるわけですが、そことの連携がどのように行われているのか、お聞きをいたします。

 そしてこのテーマの最後に、今後、高次脳機能障害についての市民に対する広報、また、相談環境の拡充、医療・福祉・介護などの連携強化を図る必要があると考えるわけですが、この点について認識をお聞きいたします。そして当面、市主催の相談会、または今行われている広報の中身をさらに拡充していくことが必要だと考えるわけですが、この点についてのご見解をお聞きをいたします。

 

◎健康福祉部長

 私からは、健康福祉部所管のご質問にご答弁申し上げます。

 3番目の高次脳機能障害に関する蕨市の対応についての1点目、高次脳機能障害の特徴についてでありますが、高次脳機能障害は、事故や病気などで脳に損傷を受けることによる後遺症として、記憶障害、注意障害、遂行機能障害、社会的行動障害などが見られる障害であり、これに起因して日常生活、社会生活への適応が困難となることがございます。

 支援のための制度といたしましては、高次脳機能障害は、器質性精神障害に該当するため、精神障害者保健福祉手帳の交付が受けられるほか、症状や発症の時期により身体障害者手帳や療育手帳の交付対象となります。また、障害者総合支援法によるさまざまな障害福祉サービスや、地域生活支援事業等の対象となり、年齢等によっては介護保険サービスの対象となるなど、障害の状態、年齢、ニーズに応じて利用できる制度やサービスが多岐にわたっております。

 次に、社会的な理解の状況等や現状と課題についてでありますが、近年、医療機関においては高次脳機能障害の周知が進み、高次脳機能障害と診断される事例がふえてきてはおりますが、まだ社会的には広く理解されているとは言えない状況と認識しております。

 高次脳機能障害は「見えない障害」と言われることもあり、外見上目立たないことも多いため、家族や周囲の人からも理解されにくく、また、本人に自覚がないこともあり、専門的な医療機関への受診や支援、サービスに結びつくまでに時間を要するなどの課題があると考えております。

 次に、2点目の蕨市の諸計画での位置づけでありますが、蕨市障害者計画においては、高次脳機能障害が精神障害に含まれることを明記し、支援の対象として位置づけております。

 また、介護保険制度の対象として40歳から65歳未満の脳血管疾患による高次脳機能障害となった2号被保険者の方や、65歳以上の方への支援は介護保険の施策に含まれております。

 相談受付や福祉・介護の制度、サービスでの対応、医療との連携などの対応につきましては、保健センターでは、担当の保健師が本人またはご家族からの相談により、症状やニーズを十分に把握した上で、相談支援事業所や適切なサービスの提供へとつなげていくとともに、必要に応じて専門の医療機関の紹介を行っております。

 まだ対応事例はございませんが、年齢や疾患原因によっては介護保険制度による介護サービスの利用が優先となるため、切れ目なく必要なサービスが受けられるよう連携を図ってまいります。

 高次脳機能障害のある方の人数については、正確な人数の把握はできませんが、厚生労働省が実施した「平成23年生活のしづらさなどに関する調査」結果による医師から高次脳機能障害と診断された者の数、推計値42万2,000人をもとに、埼玉県が全国との人口比から推計した埼玉県高次脳機能障害者数推計値は2万4,000人であることから、県との人口比で勘案すると、蕨市では240人ぐらいではないかと考えているところでございます。

 実際の相談件数は、保健センターでは3件、福祉総務課では7件、このうち障害福祉サービスの利用は保健センター2件、福祉総務課5件となっております。

 また、介護保険制度の被保険者につきましては、市のシステムでは疾患区分ごとの人数の抽出ができないため把握ができておりません。

 次に、3点目のご質問の中の福祉・介護・医療等の連携につきましては、現在進めております「第5期蕨市障害福祉計画・第1期蕨市障害児福祉計画」の策定に当たり、国の基本指針として、精神に障害のある人が地域の一員として、安心して自分らしい暮らしをすることができるよう、精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムを構築していくことが示されました。

 蕨市の計画でも市や障害福祉・介護事業者や精神障害の程度によらず、地域生活に関する相談に対応できるよう、平成32年度末までに保健・医療・福祉関係者による協議の場の設置を目標としております。

 次に、4点目の県の高次脳機能障害者支援センター・埼玉県総合リハビリテーションセンターとの連携につきましては、埼玉県総合リハビリテーションセンター内に設置されております高次脳機能障害者支援センターには、高次脳機能障害についての専門の相談窓口があり、診療やリハビリ、グループ支援など、医療と福祉が一体となった社会復帰に向けた支援を行っているほか、地域における相談機能の充実を図ることを目的に、市町村や相談支援事業所等のカンファレンスや打ち合わせ等の場に専門の職員を派遣する高次脳機能障害者地域相談支援サポート事業を行っております。

 蕨市でもこの事業を活用し、昨年度2回、相談者の家庭訪問へ同行を依頼し、本人、家族への対応、支援について適切な助言をいただいております。

 今後も引き続き連携を図りながら、支援の充実に努めてまいりたいと考えております。

 次に、5点目の今後の高次脳機能障害の広報、相談環境の拡充、医療・福祉・介護の連携強化につきましては、高次脳機能障害は個人差の大きい後遺障害のため、障害特性の理解と多岐にわたる幅広い支援が求められることから、高次脳機能障害について正しく理解するための情報提供を初め、相談環境の拡充、医療・福祉・介護の連携強化の必要性を認識しております。

 相談会につきましては、埼玉県が実施しております高次脳機能障害地域相談会の開催について市ホームページ等でご案内をしております。今年度、蕨市での開催はございませんでしたが、1月に川口市で開催した相談会には、蕨市民の方が2名参加されたと伺っております。

 また、現在のところ、市主催の相談会の開催予定はございませんが、県の地域相談会を蕨市でも開催していただけるよう、機会をとらえて県に働きかけていくとともに、国や県の事業を活用した開催方法などについて調査・研究してまいりたいと考えており、広報につきましてもホームページ等を通して適切な情報提供に努めてまいります。

 

◎病院事務局長

 私からは、3番目の高次脳機能障害に関するご質問のうち、市立病院所管のご質問にご答弁申し上げます。

 初めに、(3)市立病院での対応、患者に高次脳機能障害があるケースや疑われるケースにつきましては、高次脳機能障害は、原因となった疾患が脳卒中や交通事故等による頭部外傷等に起因した記憶障害や注意障害等の認知障害等であり、主に脳神経外科、神経外科、精神科等が診断・治療に当たります。そのため、現在当院に高次脳機能障害を主病名とされている患者様は受診されていない状況でありますが、他の大学病院等で診断や治療を行った後、療養型病院へのワンクッションを目的に当院へ転院されたケース等が平成26年1月以降3件ございました。

 

◆7番(鈴木智議員)

 それでは、再質問のほうに移りたいと思いますが、順番はちょっと変えまして、私として今回初めて取り上げたテーマということもありますので、高次脳機能障害にかかわる質問のほうから入らせていただきたいというふうに思います。

 先ほどいろいろ認識などを答弁いただきました。そのとおりだと思っておりますし、ただ、やはり最大の問題は、実際に想定されるこの障害をお持ちの方、その上で行政が今準備されているいろいろなサービスであるとか、支援があるんですけれども、そこに結びつく大前提としてどれだけ把握されているのかと。この差が極めて大きいというのも、今の社会全体での認識の状況を反映したものだなというふうに思っておりまして、ここの部分を今回の質問の中では、ぜひ次の蕨市の課題として位置づけていただきたいと、こういう思いで引き続き質問をさせていただきます。

 そうは言いましても、私もつい先日まで、恥ずかしながら登壇で申し上げたとおり、この障害に対する認識というのは大変浅いものだったと思っております。少なくとも極めてこの地域の中に身近なところで、そうした多くの皆さんが実際にこの障害に直面をしていると。中にはまだ私の会っていない方も大変多いと思いますけれども、実際に苦しんでいる方もきっと多いんだろうというふうな、そういう状況を今まで認識できてこなかったということを反省もしながら、今からでも何とかここに対して具体的な対応がとれないかと、こういうことをテーマにお聞きをするものです。

 それで今いろいろお聞きをいたしました。そこで障害の種類や症状の詳細についてお聞きをしたわけなんですけれども、それぞれその特徴を改めてもう少しお聞きをしたいと思うんですけれども、この特徴が極めていろんな問題が出てくる、いろんな症状が出てくるというのは今お聞きしたとおりです。

 そうした特徴を踏まえて、市の対応のあり方としてどのようなことが必要なのかというあたりについて認識をお聞きをしておきたいというふうに思います。

 また、高次脳機能障害への支援については、他の精神障害の対応と比べてどのように違いがあるのか。その辺につきましても認識をお聞きしておきたいというふうに思います。

 

◎健康福祉部長

 高次脳機能障害の部分で、特徴の部分については登壇でも申し上げたような特徴がございます。こちらの障害については、やはり事故や疾病により脳が損傷を受けて、日常生活にさまざまな困難が生じるということでございまして、外見上本当に目立たないというようなことで、「見えない障害」というふうに言われているというところがございます。

 やはり本人の自覚というものが乏しいというところが、これもまたなかなかわかりづらいというところがあるというふうに認識をしております。

 市のほうの対応のあり方ということでございますが、先ほど把握のほうをきちっとしていくべきだというお話もあった中で、その把握がなかなか難しいところが非常にございます。そんな中で、市としては、こちらの障害の特性を理解をまず市民の方等にもしていただくということで考えておりまして、広報等は当然やっていかなきゃいけないなと、もっと周知していかなきゃいけないなというふうに思っております。

 さらにはやはり適切なサービス、先ほども言ったように多岐に及んでいるサービスがあるので、その辺もきちっと情報提供も行いながら支援に結びつけていければというふうに考えているところでございます。

 それとあと、ほかの障害と比べてということで今、お話をいただいております。こちらの高次脳機能障害となった方については、発症後、日常生活や対人関係等がうまくいかないとか、不安や混乱を抱いている人が非常に多いというふうに聞いておりまして、やはり思いがけない事故とか、病気による障害のために、ご本人もそうですし、家族の方もやはりなかなか受けとめられないようなことになってしまっているというような状況も聞いております。

 本当にこちらについては先ほど議員さんのほうからもあったように、リハビリ等を早くしていけば改善に向かうような内容の部分もあるということでございます。

 また、ほかに精神障害という形になりますと、これは精神疾患がさまざまありますけれど、症状によって対処方法はやはり異なっております。ですので、今、精神障害の中に含まれるような形にはうちのほうの計画でもなってございますが、それとはやはりちょっと違う形なのかなという認識はしているところでございます。

 

◆7番(鈴木智議員)

 早く対応すれば回復といいますか、機能を取り戻すということもあり得るし、この間もいろいろなテレビなどの特集、その他いろんな書籍の中でも紹介されておりますので、そういう前提に立って、いかに早くそういう場面につないでいくのかと。ここをまず共通の認識とできたのは非常によかったなというふうに思っております。

 その上でなんですけれども、では、実際に蕨市にどれくらいの方がそういう状況で悩んでおられるのかということ、それで先ほどの登壇のお話では、医師から直接高次脳機能障害、またはそれが残るだろうというような診断を受けた方で恐らく240人ぐらいではないかというようなお話をお聞きしました。

 先ほど私が登壇で示した東京都の調査に基づく推計値というのも1,000人に4人程度というのは広く言われていることでありますし、そうしますと状況によっては、いずれにせよ200とか300とか、そういう方が少なくとも想定されるんだろうと。それに対して今、実際に蕨市に相談に来られた方が、先ほどの登壇でのお話でもあるとおり、保健センターのほうで3件、あと障害者福祉のほうに7件ということでありますから、10人程度というのは余りにも少ない。ひょっとするとほかの形でサービス等にたどり着いている方もいらっしゃるのかもしれないんですけれども、ただ、実際に先ほど想定される数値とすればこの差というのは余りにも大きいということが今の最大の問題なのかなというふうに認識をいたしました。

 例えばそういう中でなんですが、先ほど市町村の役割をどのように認識しているかというようなことも少し、何が大切かということをお聞きをしたんですけれども、そういう中で先ほど答弁の中でも、国・県の事業を市のほうでというようなお話はお聞きしました。では、実際に市として何ができるのかというところで、この高次脳機能障害の方に対する支援として市の役割、どのように認識されているのかというあたりももう少しお聞きをしておきたいというふうに思います。

 例えば、この点について今まではなかなか十分じゃないのかなと私のほうで感じた幾つかの事例があるんですが、1つは、先ほど登壇でもご紹介した市のホームページでの扱いです。関連情報となっておりまして、そうなると市の仕事という扱いとちょっと違うような表現なのかなというふうに感じました。

 また、例えば障害者計画の中では、基本目標の(2)の「理解と交流の促進」の中で、施策の方向の②で「学習・地域交流の促進」とありまして、そういう中で高次脳機能障害地域相談会開催の支援という項目があるんですけれども、その中で示されているのも「埼玉県が事業委託で実施している高次脳機能障害地域相談会の開催を支援し」ということで、なかなか市が主体という表現が見てとれないという部分がちょっと気になっているんですね。この点も含めまして、改めてご見解をお聞きしておきたいというふうに思います。

 

◎健康福祉部長

 今、議員さんのほうからご質問、ご指摘等もいただいた部分で、なかなかこの高次脳機能障害の部分での支援というところでは、今蕨市においては完全にできているというふうには今思っておりません。ただ、今の計画の中でのお話をいただきました。確かに県の地域相談会のほうの支援をしていくという形で計画のほうはのってございます。ただ、今度の計画の部分では、やはり国のほうでも基本指針の中で見ても、精神障害に含まれておりますが、高次脳機能障害が入っております。そういう部分で協議体みたいなものをつくっていくということが示されておりまして、市としてもそれをつくって、もっとやはりいろんな連携を図っていく必要があるということでは考えております。

 ただ、支援として、あと把握ができているかという部分もございますが、なかなかそこは蕨市の今の状況の中では非常に難しいところがございますが、ホームページのお話もいただきましたので、それについてもう少し市としても考えていければなと今思っているところでございます。

 具体的にどういうふうにやっていくということはちょっと申し上げられないんですが、いずれにしてもやはり一番大事なのは理解をもっと深めていってもらうというところが大事かなと思っておりますので、そこはこれからも力を入れていきたいと思っています。

 

◆7番(鈴木智議員)

 力を入れていきたいということですので、ぜひともその辺お願いしたいというふうに思います。

 ただ、つけ加えのようで恐縮なんですけども、もう少し紹介させていただきたいと思うのは、やはり改めて今の議論で実感したのも、市民の方が相談できる窓口が本当に身近にあることが必要だと。それは県の窓口ではなくて市町村になければいけないんだろうと思っております。

 登壇でも紹介した県の担当する機関は、上尾市の、しかも西のかなり遠いほうにあると。蕨市から行くにも1時間ではなかなか行き着かない。公共交通機関を使えば、また苦労も多い。また、そういう障害で苦しんでいる方が行くわけでありますから、実際そこに通うというのは相当難しい話という認識があります。

 このセンターからの派遣によって事業を進めていただいているという話も聞いておりますけれども、最大限その制度も活用して、蕨市が主体となった対応を行って、市民が本当に相談に来られるし、その中で対応を考えていけると。そういう方向をぜひとも引き続き検討いただければと。これは研究というレベルじゃなくて、次に何をやるのかということで、ぜひ検討に入っていただきたいということを強く要望したいというふうに思います。

 その上で、今のこの現状が本当に深刻だと思うのは、いろいろな支援にたどり着いていない、支援どころか、高次脳障害という状態にあるということにさえたどり着いていない方がいらっしゃる可能性がある。実際支援されている方から聞いた言葉なんですけれども、そういう方は地域の中では「奇妙な健常者」という状態で存在しているという話なんです。障害者だと思われないで、言動がおかしい、態度がおかしい、ある日突然変わってしまったと。その辺の認識は先ほど部長からも答弁いただいたとおりなんですけど、この言葉は本当に悲しい言葉だなと思っていますし、現状をあらわしている本当に切実な思いのこもった言葉だなとも思っております。ぜひとも身近な蕨市、市がこの窓口機能を担っていくと。まずはそこの部分、具体的に進めていただきたいというふうに思います。

 そこを前提の上で今後の対応について幾つかお聞きをしたいと思うんですが、まず、これまでに県からの指導、助言、情報提供などどのように行われてきたのかという点、それと市の職員の方が実際にこの高次脳機能障害について研修などに参加するなど、この間いろいろ取り組みがあったかと思うんですが、その辺について状況をお聞きをしておきたいというふうに思います。

 

◎健康福祉部長

 今、県からの指導、助言、あるいは市の職員の研修等ということでのご質問をいただきました。県からの助言、指導については、これは今、議員さんのほうからもお話をいただきました県の支援センター、そちらのほうを使っての部分で相談支援事業所等のカンファレンスや打ち合わせ等の場に専門の職員を派遣するということを県としても行っている事業、これはサポート事業というのがあるんですけど、これを活用して市町村のほうに支援等をしているというふうになっています。

 蕨市も登壇で申し上げたとおり、昨年については相談者の家庭訪問とかに同行していただいたりとか、市としてもやはりこういう必要なものはどんどん使っていくということで、そういう部分では、こういうのを使っていければなというところで、県のほうからも支援等いただいております。

 あと研修という部分なんですが、保健センターでもテーマに応じて保健師が県の総合リハビリテーションセンターのほうで行われております高次脳機能障害に関する研修等には参加をしております。実際にそこに行ってお話を聞いてきた保健師に聞きますと、支援のやり方であるとか、対応方法などをやはりその研修の中では話をしていまして、そういうものを学んできているという状況でございます。

 

◆7番(鈴木智議員)

 今お聞きしましたとおり、実際にそういうところでの成果を生かして、実際にどうつないでいくのかというのが必要だと思うんですけれども、例えばそういうのも生かした上で改めてお聞きをしたいんですが、高次脳機能障害の方からの相談があった場合、もしくは高次脳機能障害と診断受けてなくても、何かちょっとおかしいというか、違和感があると、どうしたんだろうかと来て、窓口でこの障害の可能性があるというようなことを認識した場合、どちらもそうなんですけれども、その後の対応としてはどのようになっていくのか。支援はどのようで、その窓口はどのようになっているのかというあたりをお聞きをしたいと思います。

 認知症については来年度予算の中でもいろいろな対応が予算化されましていろいろ前進となっていると思うんですが、認知症で受けられるサービス、それと同等のサービス受けるためにどのような手続等が必要になっていくか。それについても答弁いただきたいというふうに思います。

 

◎健康福祉部長

 相談があった場合の対応ということになろうかと思います。登壇でも申し上げましたとおり、症状については、この障害は個人によってかなり異なります。あとやはり時間の経過によってすごく変化があるということで、登壇でもお話ししておりますが、変化もありますので、やはりそれぞれの対応はどうしても異なってくるかなと思っています。

 そのため、事故が起きた後、そういうのが出てきたところで受傷後の変化や対応についてはやはり主治医の方に、多分まずはお医者さんにかかっていると思いますので、そこでまず相談をしていただきたいなというふうには思っておるんですが、その相談をしていただいた上で高次脳機能障害に関する各種情報提供であるとか、相談支援、あと健康問題等について保健センターや、これは保健所のほうも関係をしておりますので、保健所に相談いただければなというふうに考えているところでございます。

 その中で保健センターに相談等があった場合なんですが、埼玉県が行っています先ほど言いましたサポート事業、こちらを実際に利用しておりますが、そういうところにつなげたほうがいいなというような相談であれば当然、そちらからの支援をいただくという形でも考えてございます。

 また、県のほうの高次脳機能障害者支援センター、これは今回使っているのが派遣していただけるんです、来ていただけるんで、こちらからそこに連れていくということではないので、やはりそれを市としては使って、助言等をいただきながら相談に対応していきたいなというふうに今考えているとこでございます。

 あと認知症の話がちょっとありましたけれど、認知症の方の部分で申し上げますと、やはり介護保険サービスを利用するという部分がございます。これは65歳以上の方に限らない部分ございまして、要支援・要介護認定等が受けている方ということには限定になりますけれど、介護保険のほうのサービスを利用していただくようになるのかなというのが1つございます。

 65歳以上の方であれば、介護保険のほうで本人、ないし代理の方に認定申請をしていただくという中で、それぞれの支援のほうは受けられるかなと思っております。

 その認定を受けた上で、要支援であれば地域包括支援センターなりますけれども、要介護であればケアマネジャーさんのケアマネジメント、こういうものを受けてもらった中で必要なサービスを利用することは介護保険としては可能かなと。認知症の部分については今、介護保険もかなり力を入れてやっておりますので、ぜひご利用いただければと思っています。

 また、40歳以上から64歳以下の方です。これは介護保険の2号被保険者の方になりますけれど、こちらについては国が定める特定疾病を原因として要支援・要介護状態となった場合に限り認定を受けることができます。特に初老期における認知症というような部分であればですね、この特定疾病の1つとして定められますので、同様の手続でサービスを利用することができるというような状況でございます。

 ただ、18歳以上で39歳以下の方、これについては介護保険のサービスの利用という部分はちょっとできないというような状況でございます。

 

◆7番(鈴木智議員)

 そういった意味ではいろいろな支援の内容なども今後検討されなければいけないのかなというふうにも思っております。

 そういう中で、今もお話もありましたが、いろんな多様な症状が出ている、人によっても出方も違う。また、登壇でも申し上げたとおり、医療・介護・福祉、あと時として教育にかかわっての問題というのもこの問題には出てくる、子どもがなる場合もあります。子どもの親が発症するケースもあります。そうすると教育現場でも問題になってくる。また、その方の暮らしのことを考えると就労という分野でも問題になってくる。いろんな分野にわたるわけなんですけども、それをどうつないでいくのかというのも1つのテーマなのだろうと。

 今、手元に1枚ちょっとチェックシートというようなものがありまして、これはある医療機関で使っているものでありまして、これで医療上のいろんな状況の確認だけではなくて、実際に医療の上での高額医療費の申請はどうなっているのか、介護保険の申請はどうなっているのか、ケアマネジャーはだれになっているのか、また、障害の手帳関係はどうなっているのか、また、その他保険なんかはどうなっているのか、家族会の案内はちゃんと行っているのかというようなことも含めて、いろんなことを医療の現場でチェックする、そういう努力が始まっているというのをお聞きをいたしました。これすべての医療機関でこういうものをやっていればいいんですけれども、そこがどうなっているのか。また、実際そこにたどり着いていない方にとっては、こういうところを全部網羅して、それぞれ行くというのは難しいことだろうと。

 登壇でご紹介いたしました私に実際にお話をいただいたその方も、実際に行政の窓口ではたらい回しにされているという、そういう認識を得たということなんです。これはあっちに行って、これはあっちに行ってという話になってくると、これはなかなか難しい。やっぱりどこか具体的には、蕨の場合、保健センターがしっかりそうした全体を見通した対応をしていく、そういうことが必要なのかなというふうに考えております。

 そういった意味で、総合的な調整を担う機関、窓口として、こういうものが今あるかどうかということと、蕨市において保健センターがその役割を担っていくことというようなことができないか、ぜひともその辺の見解もちょっとお聞きをしておきたいというふうに思います。

 

◎健康福祉部長

 今、総合的な調整を行う窓口のお話をいただきました。今、蕨市の中では精神保健という部分になってしまいますが、保健センターが役割を担っているのかなと思ってございます。ただ、ここだけでは総合的な調整という形ではできていないという状況です。

 今、蕨市で行っている部分で申し上げますと、先ほど登壇でも福祉総務課のほうでも相談があると、保健センターのほうでも少ないですけど相談があるということで、特にこちらの2課のほうで中心になっているのかなというところがございます。

 ただ、なかなか総合的な調整を行う窓口、これだけではなくて、いろんな部分で総合調整ということをいつも言われているんですけど、なかなかこれは難しいなと。連携をとにかく今まで以上にやっていくしかないだろうというのが今、私のほうで思っているところでは正直なところでございます。

 高次脳機能障害ということで今回ご質問いただいておりますので、やはりご本人の障害状態、年齢、あと原因の疾患、それで利用できる制度がやはり多岐にわたりございますので、特定のやはり窓口がコーディネーターという形で行うのは本当に難しいなと思っているのが現状でございまして、そのためにも関係する各課が今以上に連携を行って支援をしていくと、つないでいくというところに力を注いでいきたいなと今考えているところでございます。

 

◆7番(鈴木智議員)

 それでは、少なくとも連携という部分をそれぞれの窓口の中で認識して対応していただくということからスタートしていただくということが大切かというふうに思いました。

 それでは、今後の対応でもう一つ、少し先進的な動きというところにも触れていきたいと思うんですけれども、例えばさいたま市、所沢市、県内でいうとこの2市、ほかにもあるかもしれませんが、ホームページで紹介している内容だけでも蕨とは相当景色が違っておりまして、例えば所沢市のホームページなどでは、先ほど紹介した東京都の調査からわかったことというようなこともありますし、それぞれ本人も周囲も気づきにくい障害ですということで、高次脳機能障害に見られる症状を詳しく紹介している。また、お隣さいたま市では、高次脳機能障害のリーフレットなども出るようになっているんですが、これは非常にわかりやすいと思ったのは、子どもも対象にして、この障害がどのような障害になっているのかと。自分の家族がこの障害になったことを想定して、時としては自分がこの障害に合っている、そういうことも想定した形でイラストつきで非常にわかりやすいものも含めて準備をしている。基本的な一時相談窓口としては、各区にあります行政の窓口が相談に乗りますということを明確にしている。こうした取り組みが情報を提供するという意味でも、また市民の窓口として、しっかりとどこが窓口になっているか示すのも大変重要だなというふうに感じた次第です。

 それで冒頭でも言ったように、なかなか財政力の違いもありますので、同じことを蕨市でも一から研究して積み上げてやるということは到底無理だとは思います。ただ、今ある実際の成果として近隣でつくられてきたものもありますし、県の取り組みもあるわけですから、こうした取り組みなどを、1つは、今そういった状況にどのように把握しておられるかということをお聞きした上で、蕨市に置きかえた場合、提供されるサービスや相談機会の確保、どのような対応が必要になってくるのか、何が可能なのか、そういう認識も含めてちょっとお聞きをしておきたいと思います。

 

◎健康福祉部長

 今、所沢市、さいたま市のお話をいただきました。さいたま市についてはお隣ということで、どのような支援体制でやっているかというところは確認して認識はしております。今さいたま市のお話がありました。一時相談窓口ということでのお話。各区の中に支援課というのがございまして、市内15カ所にございます。障害者生活支援センターというのがございます。そこで本人及び家族からの相談、あと制度利用に向けた支援等の対応等をしています。蕨市の部分でその窓口とかの部分、先ほどご質問いただきましたが、置きかえた場合ということでございます。さいたま市はご存じのとおり、政令指定都市という部分もございまして、財政もそうですし、職員の体制等も全然違っているかなというところがありますが、だからできないということではないとは思ってございます。その中で何ができるのかということを考えていきたいなと思ってございます。

 現在の当市においては、先ほどの繰り返しにちょっと近い形になりますが、提供されるサービス、相談機会を確保するために必要な対応として考えている部分では、やはり保健センターだけでなくて、福祉総務課、具体的に申し上げますと、介護保健室、あと相談支援事業所が市内にございます。そちらなどの窓口で相談があった場合でも適切にサービスの利用につなげられるように、やはりここも、情報の共有を行いながら、きちっと連携が図れるようしていければなというところで、市としては対応したいなというふうに思ってございます。

 

◆7番(鈴木智議員)

 ぜひともそういう視点で今後対応をお願いしたいと思います。

 市として高次脳機能障害、この広報も大切ということも繰り返していただきました。また、具体的な相談会については、県などの事業を蕨市でもというようなことでお聞きをしましたけれども、ぜひとも蕨市の事業としても、派遣などの制度も活用して蕨市が開催していくということも状況把握のためにどうしても必要なのかなというふうに思っております。

 実は、把握が難しいという話ではありましたけれども、人口規模では蕨市と余り変わらないと思っています国立市、こちらのほうでは、今、市が把握している方だけでも60人くらいの方がおられるというようなことをお聞きをいたしました。これは対応としてやはり窓口を設けて、積極的に情報も提供して、それで相談に乗っていく活動の中でどんどんふえてくるんだろうと。

 先進といったさいたま市でも、当初はそんなに把握している人数は多くなかったんですけども、やはり力を入れて活動していく中で、どんどん相談の実態も把握できていくという状況が広がっております。

 そうして見ると、市の対応としても具体的な相談会の開催、あと相談窓口の明確化ということをやっていくべきだと思うんですけれども、これについてはぜひまた改めて認識をお聞きしたいと思います。

 あともう一つ、次期の計画についても、先ほど国の計画にあわせてということをお聞きいたしましたけれども、改めて具体的な事例として蕨市でもいろんな事業などをのせていくということも必要なのではないかというふうにも思っております。

 先ほどご紹介しました、たしか国立の例だったと思うんですが、高次脳機能障害者支援促進事業という形で1つの事業化されておりまして、そうした中できちんと予算もつけて行っているという部分もあります。規模の差などその取り組みの進みぐあいによっていろいろ検討はあると思うんですけども、そういった形で、ぜひとも具体的に進めていただきたいと思いますが、この点についての見解もお聞きをしたいと思います。

 

◎健康福祉部長

 登壇でも申し上げましたが、広報、ホームページ等も活用して周知のほうは図っていきたいというふうに思ってございます。

 あと今、国立市の事例のお話もいただきました。国立はやはりこの高次脳機能障害、かなり早くから対応のほうをしていたかなというふうには認識しています。ですので、最初のころは多分何人も把握できていなかったんじゃないかなというような状況で、今は60人ということでお聞きしておりますので、蕨市もそういうふうになれればということで、やはり情報の提供もさることながら、ここに相談できますよというような部分も含めて周知のほうはしていければなと今考えているところでございます。