高次脳機能障害について(広島市議会)

6月22日(金)に開かれた平成30年広島市議会第2回定例会の一般質問の録画が、広島市議会のホームページで公開されていました。

 

今田良治議員が広島市の高次脳機能障害支援について取り上げておられたので、その部分の質問と、その質問に対する広島市の答弁を、録画から文字にしてみたので、以下に記します。

 

【高次脳機能障害について】

 

◆今田良治議員

 

 次に、高次脳機能障害についてお聞きします。

 本年1月、日本を代表する音楽プロデューサー、小室哲哉氏の引退会見において、妻 KEIKO さんが、高次脳機能障害であることを公表し、介護の苦悩を打ち明けるということがありました。

 高次脳機能障害という言葉は、あまり聞きなれないかもしれませんが、この会見を契機に、高次脳機能障害に関する報道が数多く見受けられるようになったと感じています。

 高次脳機能障害とは、交通事故やスポーツ事故による脳外傷や、脳梗塞などにより、脳の機能を損傷することで、怪我や病気は治ったにも関わらず、新しいことを覚えられなくなり、同じミスを繰り返すようになったとか、気が散りやすく、不注意になったなどの症状が残ってしまうものです。

 そこで、お伺いします。

 高次脳機能とは、どういったもので、この機能が損なわれると、どのような障害が現れるのか、また、高次脳機能障害の方が、どのくらいおられるのか、男女比や年齢構成など、広島市の実態を、お答えください。

 高次脳機能障害の原因は、怪我や病気による脳の機能を損傷することによるものですから、発生段階では、外傷や脳梗塞などの治療を病院で行いますが、その後、障害が残ってしまった場合、退院後においても、継続的な支援が必要となります。

 しかしながら、高次脳機能障害は、外見上には現れない障害であることが多いため、本人も、そして周囲の人も、障害が残っていることに気づきにくい点が問題と言われています。

 本人が、障害に気づかないため、実際には、感情のコントロールができないなどの症状により、生活のしづらさがあっても、支援を求めないこともあるそうです。

 このため、広島市の支援を受けていない方が、数多くいる可能性があるのではないでしょうか。

 これらの方々を、治療や支援につなぐためには、高次脳機能障害に関する広報を行う必要があると考えます。

 そこで、お伺いします。

 具体的な広報活動も含めて、高次脳機能障害の方に対する、広島市の支援内容を教えてください。

 また、高次脳機能障害の方へのケアを十分に行っていくためには、病院等との連携を深めるなど、対策の強化を行っていくべきであると思いますが、今後、どのような取り組みをするのか、お答えください。

 

◆健康福祉局長

 

 高次脳機能障害についての3点のご質問にお答えします。

 まず、高次脳機能とは、どういったもので、この機能が損なわれると、どのような障害が現れるのか、また、高次脳機能障害者の人数など、本市の実態についてです。

 高次脳機能とは、記憶力、計画性、感情のコントロールといった極めて高度な脳の機能のことで、事故や脳血管障害によるダメージにより、これらの機能が著しく低下した状態になることを高次脳機能障害と言います。

 高次脳機能障害では、外見上は回復したように見えても、会話がうまく噛み合わない、段取りをつけて物事を行うことができない、同じことを繰り返し質問するなどの症状が現れ、周囲の人に、以前と人が変った、怠け者になったなどの印象を与えることがあります。

 本市で、高次脳機能障害者に該当するとして精神障害者保健福祉手帳を取得されている方は、平成30年3月31日時点で、341人となっており、その男女比は、男性が7割、女性が3割、年齢構成は、65歳未満が7割、65歳以上の高齢者が3割となっています。

 一方で、厚生労働省が平成13年から平成17年に実施した高次脳機能障害支援モデル事業によると、全国で約27万人の高次脳機能障害者がいるとの調査結果が出ており、本市では約2500人の対象者がいると推測されます。

 次に、広報活動を含めた本市の支援内容についてです。

 本市では、高次脳機能障害の普及啓発を目的として、医療福祉関係者や本市職員を対象とした講演会を年1回開催し、障害に対する市職員の理解の促進、関係機関等との連携強化に努めています。

 また、平成23年度から、高次脳機能障害に特化した就労継続支援施設の運営や広報啓発などの活動をしている特定非営利活動法人の高次脳機能障害サポートネットひろしまに委託して、リーフレット等を作成し、区役所や障害者相談支援事業所、ハローワーク、市内の脳神経外科病院などの関係機関に配布して、高次脳機能障害の周知を図っています。

 さらに、障害者本人や、その家族を対象に、月1回の相談会や、年1回の交流会を実施し、必要に応じて精神障害者保健福祉手帳の取得や、障害福祉サービスの手続きなど、福祉制度の紹介のほか、機能訓練などのリハビリを行う施設等につないだり、障害年金の申請支援を行っています。

 最後に、高次脳機能障害の方へのケアに係る病院との連携など、今後の取組みについてです。

 昨年12月、高次脳機能障害者の外来診療やリハビリに積極的に取り組んでいる民間医療機関と共催で、セミナー「高次脳機能障害者の幸せな生活をめざして」を開催しました。

 このセミナーは、障害者本人やその家族、医療福祉関係者だけでなく、関心のある市民を含めて、300人近くの参加があると共に、新聞や情報誌にも掲載され、高次脳機能障害を広く周知することができました。

 このため、今年度も同様のセミナーの開催を検討しているところです。

 また、広島市立リハビリテーション病院においては、発症間もない高次脳機能障害を有する患者の回復期のリハビリテーション医療の提供のほか、広島県から高次脳機能地域支援センターの指定を受けて、地域の中核として、専門的な相談などに対応しています。

 本年6月からは、病院に附帯する自立訓練施設において、高次脳機能障害を有する方に対する、例えばスケジュール管理や作業手順の確認などといった生活能力の向上を目的とした生活訓練も始めました。

 引き続き、こうした関係機関等との連携や支援に、一層取り組んでいきたいと考えています。

 以上でございます。