「高次脳機能障害支援に関する要望書」に対する回答

平成30年3月30日、埼玉高次脳機能障害連合会として埼玉県に「高次脳機能障害支援に関する要望書」を提出しておりましたが、6月26日付で、この要望書に対する埼玉県の回答が、連合会の事務局に郵送されてきました。

 

以下が、その回答です。

 

障福推 第464号

平成30年6月26日

埼玉高次脳機能障害連合会

代表 谷口 眞知子 様

埼玉県福祉部障害者福祉推進課長

村瀬 泰彦 (公印省略)

 

要望書に対する回答について

 

 貴会から提出された「高次脳機能障害支援に関する要望書」に対する回答は別添のとおりです。

 

担当 :障害福祉・団体担当 大高、岩崎

TEL:048-830-3294

メール:a3310-01@pref.saitama.lg.jp

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 警察等関連)

 

 高齢の認知症の方だけでなく、若年性認知症や若い高次脳機能障害の方でも徘徊して道に迷ってしまう可能性があることを、警察官の方を対象の研修で周知してください。

 

◆回答

 

 高次脳機能障害や若年性認知症の方に限らず、全ての行方不明者の届出があった際には、速やかにシステム登録を行い、全国の各種警察活動において、照会をすれば、行方不明者か否かが判明するよう措置するほか、届出人その他関係者と適時必要な連絡をとりながら、発見のため、その行方に関する情報の収集、必要な探索、調査等所要の発見活動に努めており、また、職員に対して講習や会議の機会に、以下の施策等を通じて、記憶障害や遂行機能障害等として現れる高次脳機能障害の特性への理解を深める教養を行っています。

  • 警察学校で行う初任科課程等で、障害者に対する理解を深める教養を取り入れ、部外講師による講義を受講
  • 県警察学校での幹部任用科課程等においては、高次脳機能障害についての教養を実施
  • 職員が各種業務を行う中で、障害のある方に配慮すべき事業等をまとめた、「障害のある方への対応ハンドブック」を作成し、同資料中に高次脳機能障害の特性等についても掲載するほか、部内ネットワークに掲示
  • 警察部内の機関誌に「警察官として知っておくべき障害のある方への適切な対応」を連載し、その中にも高次脳機能障害のある方への具体的配慮について記載
  • 県福祉部障害者福祉推進課作成の「障害のある方への配慮マニュアル」を部内ネットワークに掲示

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 警察等関連)

 

 高次脳機能障害の方の自動車運転再開を支援する体制を整備していくことについて、埼玉県の方針をお示しください。

 

◆回答

 

 埼玉県高次脳機能障害者支援センターでは、自動車運転再開を希望される脳卒中・頭部外傷の方に対して、安全な運転を続けていただくために運転免許センターでの運転適性相談を勧めています。

 病気や障害を認識した上で、運転免許センターの指導を受けずに運転し事故を起こした場合、責任を問われる可能性があります。運転再開を希望する場合は、必ず医師に相談した上で、運転免許センターでの運転適性相談を受けるようお願いします。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 保健所関連)

 

〇精神障害に対する正しい知識の普及啓発を図る役割を担っている保健所において、その業務のなかで市町村の会議などに職員を派遣する際、高次脳機能障害についての正しい知識の普及啓発を図ってください。

 

〇地域保健法および「地域保健法第四条第一項の規定に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針」(最終開催:平成27年3月27日)の枠組みで、高次脳機能障害関係の家族会などをソーシャルキャピタルと位置づけ、保健所が高次脳機能障害関係の家族会などもソーシャルキャピタルとして育成・活用してください。(埼玉県立の保健所に対象を限定した要望です)

 

◆回答

 

〇保健所においては、市町村で開催される会議に出席する際は、高次脳機能障害についての普及啓発を行っています。

 また、埼玉県高次脳機能障害支援センター主催の研修に職員が参加し、正しい知識の取得に努めています。

 

〇「地域保健法第四条第一項の規定に基づく地域保健対策の推進に関する基本的な指針」においては、保健所の機能として、ソーシャルキャピタルの醸成と活用が示されています。

 埼玉県では、高次脳機能障害に係るソーシャルキャピタルの育成及び活用について、高次脳機能障害支援センターを中心に取り組んでいるところです。

 保健所としましても、市町村や福祉等の関係機関と連携を図り、地域の健康課題として取り組んでまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 リハビリテーション関連)

 

 障害者福祉推進課の新規事業「高次脳機能障害者支援機能の地域展開事業」で高次脳機能障害者へのリハビリテーションサービスについて、どのように整備されていくのか、埼玉県の方針をお示しください。

 

◆回答

 

 高次脳機能障害者に対する相談、医療、就労支援については、平成23年4月、埼玉県総合リハビリテーションセンター内に支援拠点(埼玉県高次脳機能障害者支援センター)を開設し、総合相談窓口を設置するとともに、診療部門や障害者支援施設部門との連携を強化し、高次脳機能障害者への支援充実に取り組んできました。

 しかしながら、総合リハビリテーションセンターに来所することが困難な相談者に対して十分な支援が行き届いていない場合があり、地域での支援体制を充実させる必要性が課題として浮き彫りになってきました。

 そうした課題を踏まえ、今年度から、高次脳機能障害者への支援をより広域的に進めるため、地域にある医療機関を支援拠点として2か所設置し支援体制の強化を図っていくことで準備を行っているところです。

 今後も、県総合リハビリテーションセンターと地域の支援機関が連携しながら、埼玉県内における支援体制の充実を図ってまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 介護保険関連)

 

①平成30年3月12日まで意見募集が実施されていた「埼玉県高齢者支援計画(案)」では、39ページの「(3)若年性認知症の方への支援」のところで「若年性認知症や脳血管疾患の後遺症による高次脳機能障害に対する県民や事業所の理解の促進を図るとともに、本人や家族に対する相談体制を整備します。」と記されていました。若年性認知症施策推進事業では、脳血管執権に伴って高次脳機能障害となった第2号被保険者も含めた事業を行っていってください。

 

②高齢の障害者への支援の流れで、高齢の高次脳機能障害者への支援が検討されていくと思われますが、高齢の高次脳機能障害者への支援について、認知症施策のなかで対応されていくのか、別の施策で対応されていくのか、埼玉県の方針を示してください。

 

③「埼玉県認知症高齢者等徘徊SOSネットワーク」の対象に、高次脳機能障害者も含まれているのであれば、その旨、ホームページなどで周知していってください。

 

◆回答

 

①県の「若年性認知症施策推進事業」は、新オレンジプランや厚生労働省の認知症施策総合戦略推進事業実施要綱に基づき実施しています。若年性認知症の方には「若年性認知症施策推進事業」、高次脳機能障害の方には「高次脳機能障害者支援事業」や介護保険サービスにより支援してまいります。

 

②県では、高次脳機能障害者の支援については、主に「高次脳機能障害者支援事業」において対応してまいります。また、併せて介護保険サービスの適切な利用が重要であることから、保険者である市町村と連携し、支援に努めてまいります。

 

③「埼玉県認知症高齢者等徘徊SOSネットワーク」は、徘徊により行方不明となった方の早期発見・保護等を行う仕組みとして運用しているところです。制度については、県ホームページで周知してまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 小児の高次脳機能障害関連)

 

 小児の高次脳機能障害について、埼玉県立小児医療センターを支援拠点に位置づけてください。

 

◆回答

 

 埼玉県立小児医療センターは、外傷や脳腫瘍などの急性期患者の受入れに特化した病院であり、回復期の機能を有する体制になっていないことから、小児高次脳機能障害患者の長期での受入れは難しい現状がございます。一方、急性期を脱した後の治療(リハビリ)先は少ない現状も理解しておりますので、転院先の紹介につきまして、患者及び御家族の意向に沿った形でサポートをしてまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 意思疎通支援事業関連)

 

 失語症向け意思疎通支援者の養成事業が新規に始めることなどを受け、埼玉県における高次脳機能障害及びその関連障害への意思疎通支援をどのようにおこなっていくのか、方針を示してください。

 

◆回答

 

 意思疎通支援事業は、障害者等とその他の者の意思疎通の円滑化を図ることを目的とした事業です。

 国においても、平成27年12月の社会保障審議会障害者部会の報告書の指摘も踏まえ、対象者に失語症、知的障害、発達障害、高次脳機能障害、重度の身体障害、難病を新たに明記し対象者を明確化しています。

 また、御案内のとおり失語症者向け意思疎通支援者の育成事業が新たにスタートすることとなり、国からも具体的な事業スキームが示されたところです。

 埼玉県としても、先般、失語症向け意思疎通支援事業をどのように展開していくべきか、国から示された事業スキームを勘案しながら県内の関係団体と意見交換を行ったところです。

 高次脳機能障害及びその関連障害への意思疎通支援につきましても、国の動向を見据えながら対応してまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 障害者就労支援関連)

 

 障害者福祉推進課の新規事業である高次脳機能障害者就労アシスト事業を、どのように展開していくのか、埼玉県の方針をお示しください。

 

◆回答

 

 平成30年度から、次の事業を展開していきます。

 県総合リハビリテーションセンター職員が高次脳機能障害者を雇用している企業を訪問して障害者本人及び企業に対して助言を行い、職場への定着を支援します。(定着支援)

 また、就労系事業所を訪問して高次脳機能障害者への支援方法について、事業所職員に対する実地指導を行っています。(訪問支援)

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 障害者就労支援関連)

 

 『治療と仕事の両立支援のための「埼玉県地域両立支援推進チーム」』などとも連携しながら、脳卒中の後遺症で高次脳機能障害となった方への就労支援体制を整備していってください。

 

◆回答

 

 高次脳機能障害者の就労についても他の障害者の就労と同様、各市町村の障害者就労支援センターや県内10か所にある障害者就業・生活支援センターが本人からの相談に応じ、本人の希望や適性に配慮しながら対応しています。

 就職先については、障害者の希望勤務地を管轄するハローワークの求人情報により紹介しています。市町村の障害者就労支援センターや障害者就業・生活支援センターでは求人情報の中からできる限り本人の希望に合う就職先を紹介しています。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神保健福祉審議会関連)

 

 埼玉県精神保健福祉審議会において、高次脳機能障害児・者への支援を議題として取り上げてください。

 

◆回答

 

 埼玉県精神保健福祉審議会では、精神保健及び精神障害者の福祉に関する事業について、依存症対策、措置入院などその時々に応じたテーマを取り上げて協議しています。

 高次脳機能障害児・者への支援についても、テーマのひとつとして検討いたします。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 埼玉県自立支援協議会関連)

 

 埼玉県自立支援協議会に設置した精神障害者地域移行部会においては、その対象を統合失調症に限ることなく、認知症や高次脳機能障害も対象に含めて議論を進めていってください。

 

◆回答

 

 精神障害者地域移行部会は、平成30年度から地域支援体制整備部会に変わります。

 この部会においては、対象を統合失調症に限らず、すべての精神障害者を対象にしていく予定です。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築関連)

 

 埼玉県において、精神障害にも対応した地域包括ケアシステム構築のなかで、高次脳機能障害について、どのように支援システムを構築していくのか、その方針を示してください。

 

◆回答

 

 「精神障害にも対応した地域包括ケアシステム」の基本的な考え方は、精神科病院における長期入院精神障害者の地域移行を進めるためには、これまでの精神科病院や地域援助事業者による努力だけでは限界があることから、自治体を中心とした地域精神保健医療福祉の一体的な取組の推進に加えて、地域住民の協力を得ながら、精神障害者が地域の一員として安心して自分らしい暮らしをすることができるようにすることを目指すものです。

 平成30年度からは鴻巣保健所管内を対象としたモデル事業を開始しました。当事業は、長期入院を経て退院した

精神科の受診を中断したなどの理由により地域で生活する精神障害者に対し、多職種によるアウトリーチ(訪問支援)を行い、生活支援を行うものです。

 事業の対象となるのは、高次脳機能障害者も含む精神障害者となります。これらの方々が地域で安心して暮らしていけるための支援体制が構築できるよう取り組んでまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築関連)

 

 埼玉県内で高次脳機能障害について診断や治療ができる医療機関がごく限られている現状がございますが、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムを構築していくなかで、地域で高次脳機能障害を診断できる体制の整備を考えていってください。

 

◆回答

 

 県では、高次脳機能障害に対する医療関係者の専門性を高めるため、高次脳機能障害の診断・評価に係る医師や相談・指導などに係る専門職員向けの研修会を毎年開催しています。

 平成29年度はさいたま市、川越市、越谷市など県内各地で、計4回開催し、延べ318人の方々に受講していただきました。

 引き続き県内各地で医療機関向け研修会を実施し、身近な地域で高次脳機能障害を診断できる体制が整備できるよう努めてまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神障害者地域支援体制構築会議等事業(障害者福祉推進課)関連)

 

 精神障害者地域支援体制構築会議において、高次脳機能障害者も対象に含めた地域支援体制の構築について考えていってください。

 

◆回答

 

 御案内のとおり、高次脳機能障害者の支援体制の整備については、埼玉県高次脳機能障害支援体制整備推進委員会があります。

 平成30年度から開始する精神障害者地域支援体制構築会議は、各保健所管内ごとの保健・医療・福祉の関係者らによる協議の場となります。

 事業の対象となるのは、高次脳機能障害者も含む精神障害者となります。これらの方々が地域で安心して暮らしていけるための支援体制が構築できるよう取り組んでまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神障害者地域支援体制構築会議等事業(障害者福祉推進課)関連)

 

 地域人材育成等研修会では、精神障害者地域支援体制構築会議を通じて抽出した高次脳機能障害の方を巡る課題を解消することも含めた研修を開催していってください。

 

◆回答

 

 御案内のとおり、県では、高次脳機能障害者の支援に当たる医療関係職員に対する専門研修を行っています。

 地域人材育成等研究会では、高次脳機能障害も含む精神障害者に係る課題の解消を目的に、各保健所が支援者等に研修を行います。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神障害者地域支援体制構築会議等事業(障害者福祉推進課)関連)

 

 保健所や県庁で実施する関係者連絡会では、高次脳機能障害のことも対象に含めて協議をしていってください。

 

◆回答

 

 関係者連絡会は、保健所職員、ピアサポート受託事業所などが一堂に会し、主に精神障害者の退院支援に係る話し合いを行う場です。

 対象となるのは、主に長期入院の精神障害者の方全般となります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 精神障害者地域支援体制構築会議等事業(障害者福祉推進課)関連)

 

 精神障害者福祉型訪問支援強化モデル事業(アウトリーチ事業の試行と事業評価)の対象に、高次脳機能障害も含めていただきたい。

 

◆回答

 

 平成30年度からは鴻巣保健所管内を対象としたモデル事業を開始しました。当事業は、長期入院を経て退院した、精神科の受診を中断したなどの李湯により地域で生活する精神障害者に対し、多職種によるアウトリーチ(訪問支援)を行い、生活支援を行うものです。

 事業の対象となるのは、高次脳機能障害者も含む精神障害者となります。これらの方々が地域で安心して暮らしていけるための支援体制が構築できるよう取り組んでまいります。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 埼玉県高次脳機能障害支援体制整備推進委員会関連)

 

 埼玉県高次脳機能障害支援体制整備推進委員会に作業部会を設け、作業部会において県内の好事例を収集するなど、現在より充実した委員会活動が展開できるようにしていただきたい。

 

◆回答

 

 今後の委員会における協議内容や、各委員の御意見などを踏まえながら、適宜検討してまいりたいと思います。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 埼玉県の「高次脳機能障害者支援」についてのホームページ関連)

 

 「高次脳機能障害者支援」についてのホームページに、相談先として保健所の連絡先(電話など)を載せてください。

 

◆回答

 

 高次脳機能障害に伴う精神保健福祉相談など、保健所で対応できることをお知らせできるよう、問題点がないかを含め保健所担当課と協議の上、対応していきたいと思います。

 

 

(文書回答)

 

◆要望事項

(項目 埼玉県の「高次脳機能障害者支援」についてのホームページ関連)

 

 「高次脳機能障害者支援」についてのホームページに、埼玉県内の高次脳機能障害支援の好事例や、高次脳機能障害者やそのご家族が活用できる社会資源などについての情報を載せていってください。

 

◆回答

 

 当県で収集できた公開可能な好事例や社会資源については、適宜お知らせできるようにしたいと考えております。